鼻水垂らし目が潰れ…49頭の猫ひしめく一軒家、高齢の飼い主倒れてレスキュー突入 臆病猫が心を開くまで

猫のジャヌーちゃんは、49頭の猫がひしめく個人宅で暮らしていた。飼い主は東京都練馬区在住の70歳前後の独居男性。ある日、その男性が倒れて病院に搬送されたことから、親戚が猫たちを発見したという。

倒れた飼い主は回復したが、介護が必要に。一人では猫の世話ができない状態になっていた。40頭以上もの猫を飼える人はおらず、途方にくれた親戚がNPO法人に相談。だが、余りの数の多さに困り果て、別のNPO法人の協力も得ることに。手分けしてレスキューすることになった。

■タヌちゃん、ジャヌーちゃんになる

NPO法人が室内に入ると、数匹の猫が顔を出した。「多頭飼育崩壊のレスキューにはたくさん入りましたが、それほど悲惨でもない様子でした。室内に入るとムンとする悪臭が漂ってきて、ごはんをあげようとしたら大量の猫が集まってきました」

猫たちはみな鼻水を垂らしていたり、目が潰れたりしていた。そして、成猫なのに子猫のような大きさの猫がいた。状態の悪い子から順番にレスキューしたが、その中の1匹がタヌちゃん(後に、ジャヌーちゃんと命名)だった。タヌちゃんは玄関で一番前に出てきて、みんなを守るようにスタッフを警戒した。

タヌちゃんは保護猫暮らしにも慣れて友達もできたが、2016年11月、ついにある家庭に迎えられた。タヌちゃんはジャヌーという素敵な名前をもらった。

トライアル期間中はケージから出るのも人に触られるのも全面拒否。ケージから出ても人のことは警戒し、「近付いたらぶっ殺すぞ」モード。ただ、先住猫のことはまんざらでもないようで、だんだん家にも馴染んでいった。今では家族にも心を開き、なでなでとブラッシング大好きな猫に。寒い時には布団に潜り込んでくるという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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