推しとの幸せを…話題の「2次元結婚式」 客の要望で開始したサービス、今後も需要拡大の見込み
「推し」と結婚!? アニメキャラクターやアイドルといった自分の一押しの存在とウエディングフォト撮影や挙式が楽しめるサービス「2次元結婚式」を、岡山市北区東花尻のレンタルスペース「サン・ユーロ」が提案している。誕生日を祝う「誕生祭」、ゆかりの地を訪ねる「聖地巡礼」など若者を中心に多様な推し活が広がっており、新たな選択肢として注目を集めている。
「きれい!」「すてきな旦那さま」「お似合いです」
カメラマンの声かけに応じながらポーズを取るのは、純白のウエディングドレス姿の「花嫁」と等身大パネルの「新郎」。見つめ合ったり、体を寄せ合ったり。“熱愛ぶり”は人間同士の夫婦のようだ。
サン・ユーロと提携する岡山市内のフォトスタジオで17日、宮城県から訪れた会社員ミクさん(33)=仮名=が撮影に臨んでいた。
お相手は人気ゲーム「刀剣乱舞」のキャラクター「へし切長谷部」。初めは緊張した様子だったが次第に表情が緩み、「2人」で横並びに立つ▽離れて座る▽窓越しに向かい合う-などさまざまなシーンを展開。衣装も替えながら3時間ほどかけ、写真と動画を撮った。
「誠実な性格に引かれた」とファン歴7年のミクさん。3カ月前、ネットニュースで2次元結婚式を知ってすぐ申し込み、印刷会社で特注パネルを作って持ち込んだ。「メーキャップしている時からわくわくが止まらず、想像以上に楽しかった。熱量がさらに高まった」と満足そうに話した。
サン・ユーロは推しの誕生日や記念日に部屋をグッズで飾り付けて祝う利用が多く、2次元結婚式に着目したのは客の要望がきっかけ。2018年に人気バーチャル歌手「初音ミク」と結婚式を挙げた男性が話題になり、今後も需要が拡大すると見込まれることから今年2月に開始した。
代表の小笠原直生さん(35)は「(20歳前後の)Z世代の9割には推しがいるといわれる。推し活の延長線上に結婚もあると考えられ、愛情のグラデーションに応えられるサービスをつくりたい」としている。
2次元結婚式の撮影プランは、レンタルスペース(3万9千円から)、フォトスタジオ(7万9千円から)、チャペル(15万6200円から)の3種類を用意。挙式プランは要相談。詳細はインスタグラム(rental_space_sun_euro)。
(まいどなニュース/山陽新聞)