飼い主が亡くなり、30匹以上の猫が部屋に置き去り…ボランティア「猫の亡骸…悲惨すぎて、言葉に出ない」

「北名古屋市の環境課から。

飼い主が亡くなられて猫達が残されている。親族の方が餌と水をあげてるけどどうすれば良いのかわからないとのこと。親族の方も餌の量が分からなかったのかガリガリで状態も良くありません」

愛知県北名古屋市内の住宅で猫の多頭飼育崩壊が起きていることが分かりました。猫たちのレスキューなどに関わった個人ボランティア「北名古屋さくら猫」さん(@sa9ra_Kita7goya)がX(旧Twitter)で報告。「北名古屋さくら猫」さんによると、5月9日に同市環境課から「飼い主が亡くなられて猫たちが取り残されている。親族の方が餌と水をあげてるけどどうすれば良いのか分からない…」と相談の連絡が入ったといいます。

「飼い主さんは車の中で生活をしていました。足が動かなくなったと救急車に乗って行って帰らぬ人となったとか…そして、ご親族が家に確認しに行くと猫をたくさん飼っていることが発覚。どうすれば良いのかわらかなくて環境課に電話したそうです。一軒家と聞いたので、避妊・去勢をしてきちんと猫たちを管理できそうだと思って受けたんです」

■2階の開いている窓から猫たちが出入り、玄関を開けたら刺激臭…

同市環境課から連絡が入った3日後の12日、実際に多頭飼育崩壊の現場に足を運びました。

「現場の家は2階建てです。2階の窓が開いていて猫たちが出入りしていました。外にいた子たちがいっぱいいてびっくり…亡くなった飼い主さんのご親族が鍵を持ってきてくれるまで、外にいる子たちに餌をあげました。鍵を開けてもらって玄関開けたら刺激臭がすごかったです。

強烈な臭いではありましたが、中に入って買ってきた洗面器に餌を入れて猫たちに食べさせました。ご親族は毎日通い餌をあげていましたが、何匹いるのか分からなくて餌の量も分からず、食べられなくてガリガリになっている子も多かったです。見た感じですと、少なくとも30匹以上はいるのではないかと思いました。また、この日はみなで外と玄関の中を掃除しました」

洗面器にたっぷり入れた餌を喜んで食べていたという猫たち。そんな悪環境下で過ごしている猫たちの様子を詳しく確認しようと、19日には部屋の奥まで入ってみました。

「初めて奥に入りましたが、猫の亡骸もありました…悲惨すぎて、言葉に出ません。地獄です。何も悪いことをしていないこの子たち…。こんな地獄で産まれて死んでいくなんてと思いました。また2階に通じる階段が上がれない上、天井も落ちていました」

■ボランティア「保護部屋の用意をしないとけないが、なかなか見つからない」

室内は猫たちが過ごすにしても難しい環境。猫たちをどのような形で保護すればいいのか、考えているといいます。

「環境課とも相談していますが、役所も想定外のことで、自分たちに何ができるのかをいろいろ考えてくれています。とはいえ、行政だけではどうにもなりません。ご親族に保護などにかかるお金に関するお話をしながら、私も負担して、この子たちを保護する部屋を用意しないといけないと思っています。ただ保護部屋がなかなか見つからないのが現状です。避妊去勢、ウイルス検査、駆虫、ワクチン、ノミ取り、病気なら医療費がいくらかかるのか…不安ではありますが、何とか頑張ってこの子たちを保護する方向へ動いています」

飼い主さんが亡くなってから発覚した猫の多頭飼育崩壊。飼い主さんは独り暮らしだったとのことですが、このような現場の対応について、「北名古屋さくら猫」さんはこう話します。

「ご親族は飼い主さんとの交流がなく、(多頭飼育崩壊を)全く知らなかったそうです。ただ今回環境課に連絡してくれた勇気はすごいと思います。環境課も私に連絡してくれて良かったです。そのまま放置されていたら近所の方々も大変だったのではないかと。とにかく官民一体で知恵を絞り、ここを何とか乗り越えたいと思っています」

「北名古屋さくら猫」では、医療費などの寄付を募っております。詳細は、InstagramのDMまで。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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