「左目が見えないから」という理由で殺処分だった猫を保護→弱かった胃腸も正常に、猫パンチくり出すほど元気に
■殺処分対象だった猫
モナコちゃんは、目が見えないからという理由だけで殺処分が予定されていた。2024年2月22日、にゃんにゃんの日に無事にセンターから引き出され、預かり先が決まるまで福ねこハウスにステイした。
「センターの職員さんやボランティアさんも、みんなが気にかけて心配してくれていて、殺処分が回避されたことをみんな喜んでくれました」
左目は眼球がないが、右目は眼球があるので光や大きく動くモノには反応するという。
「距離感が掴めないみたいで、モノにぶつかることもありますし、高いところに上がると降りられなくなることがあります。だけど、一度経験するとすぐに学習して、健常な子と変わらずできます。ごはんやお水のお皿をひっくり返すこともなく、トイレも失敗しません。」
視力がほとんどないので、いきなり触るとビックリしてしまうモナコちゃん。声をかけ、匂いを確認してもらってからそっとタッチするのが良い。ビックリするとパンチが出る。
「猫同士シャーから始まりますが、すぐに馴染みました。同部屋のおばあちゃん猫から、理不尽にいきなりどつかれましたが、全く凹んでいません。メンタルは強そうです」
■魂が生きている
その後、預かり先の外猫まんぷく食堂に行ったモナコちゃん。環境が変わっても、すぐにトイレができた。お水もごはんもオッケー。健康面は、目以外に際立った問題は無い。
「でも、長い間栄養失調で生きてきたので胃腸が弱いのでしょうね。保護されて丸2ヶ月経ってもわずか2.6kg。生後半年ちょいのサイズです。殺処分されなくても長くなかったかもしれません」
外猫まんぷく食堂さんは、しっかり栄養を行き渡らせねばと考えている。
「張り切って少しずついろいろ食べたけど全部吐いてしまいました。徐々に健康な身体になってくれたらと思います」
うとうとするモナコちゃんはまるで子猫のよう。サッカー選手ばりに元気に遊ぶこともある。色や動きは認知できているのかもしれない。外猫まんぷく食堂さんは言う。
「モナちゃんを見ていると、目が見えないとかどうでも良くなってきます。魂が生きている。それがすべて。目が見えないからという理由で殺処分予定だったわけですが、どうしてもこの理由は受け入れられません。100歩譲って、噛み付く子は人間の害になるからとかいうんだったらまだギリ分かります。でも、目が見えないことが殺す理由になりますか?里親が見つかりにくいかららしいのですが、考えさせられます」
フードや漢方薬や整腸剤のコントロールが効いてきたのか、ようやく腸内環境が整ってきたというモナコちゃん。やっと有形軟便の理想的な域に達成した。一緒に暮らすロンちゃんとも徐々に仲良くなってきた。目があまり見えないからといって侮ってはいけない。猫じゃらしでも遊べるし、時には猫パンチで攻撃してくることも。最近、人が近づくとシャーと威嚇するが、自分からは近づくようになったというモナコちゃん。人慣れ修業はまだまだ続く。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)