「軽トラ庭園」!?メダカが泳ぎ、滝や水琴窟も…庭ごと走るお庭のショールームに驚き

富山県富山市で毎年開催される「軽トラ庭園コンテスト」。軽トラの荷台を庭と見立てた作品には、植物が植えられ、中にはメダカが泳ぎ、せせらぎを設けた作品も。

荷台を庭園に設えた軽トラがズラリと並ぶ光景も迫力があります。5月11日から12日にかけて開催された今回、主催である「花と緑のフェスティバル実行委員」の担当者に話を聞きました。

--軽トラの荷台に凝縮された日本庭園に驚きました。

担当者:約2.0m×1.4m、高さは1.8m、最大積載量350kgという限られたスペースなのに素晴らしいですよね。富山県は持ち家率全国2位なんです。だから庭づくりの需要があり、県内の造園職人はみなさん非常に高い作庭技術をお持ちです。いわば軽トラ庭園は、造園業者の移動できるお庭のショールームという感じですね。

--今年の優勝作品は高さ2mの大がかりなものでした。

担当者:見た目の美しさとして視覚はもちろんのこと、水琴窟(すいきんくつ※かめに水滴が落ちる音を楽しむもの)の聴覚と、お香の嗅覚の要素があり、全身で庭園を感じられる構成となっていました。配置されてるモミジの剪定がすばらしいと好評でした。

--高い技術がうかがえます。

担当者:重量制限もあるので発砲スチロールでかさを増したり、軽量土壌などを使用したりなど、さまざまな工夫が施されています。伝統技能や作庭技術を駆使しただけでなく、近代の庭づくりのニーズに合わせ、各社ごとの独自性を押し出し、様々なアイディア、工夫を凝らしたものとなっています。

--来場者の反応は。

担当者:大人の本気が感じられて面白いとのことです(笑)。2011年に初めて開催されたイベントで、毎年楽しみにしてると言って下さる方もいらっしゃるので、これからも続けていきたいです。

--コンテスト終了後、庭はどうなるのですか。

担当者:解体されます。造園業者さんが業務で使っている軽トラなので、コンテストに出す時は1週間使えないから困ってる!とおっしゃる職人さんもいます。あらためて考えると、1週間であの作品ができるのはさすがです。

◇ ◇ ◇

コンテストの光景を伝える投稿に対し、SNS上では「すごい!」「日本の箱庭文化大好き」「アメリカで需要がありそう」など大反響。

庭から水のせせらぎが聞こえ、季節によって様々な花が咲き四季を感じる。広い家と広い庭が無ければ味わうことができないと思っていた美しい光景が、職人の技術と熱意によって、ぎゅっと濃縮された軽トラ庭園。自然を楽しむスペースを、あえて小さく、自分の管理可能な範囲で作ってみる。私たちの暮らしの中にも応用できるアイデアもあるかもしれません。

(まいどなニュース特約・ゆきほ)

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