「飼えなくなった」保健所に持ち込まれたミックス犬 数日後そっくりの犬が収容 「どう考えても姉妹」の2匹をめぐる悲しい推測
2024年3月、「飼えなくなった」と元飼い主から保健所に持ち込まれたワンコがいました。推定生後8カ月ほどのメスのミックス犬で、後につけられた名前はつぶらちゃん。
かなりのビビりで、体を触わられると恐怖でお漏らし。引き出すことにしたボランティアチーム、わんにゃんレスキュー はぴねす(以下、はぴねす)のメンバーを前にしてまたお漏らし。顔を体に丸め込み、必死に気配を隠していました。
■クリクリの目がかわいい美人さん
しばらくして、やっと顔を上げてくれたつぶらちゃんはクリクリのまん丸の目のかわいいお顔。懇意のペットサロンに連れていき体を綺麗にしました。ここでもまた端っこで固まるつぶらちゃんでしたが、メンバーには少しだけ心を開いてくれたのか抱っこさせてくれました。
まだ不安なのか震えていましたが、こんなつぶらちゃんなら心さえ開いてくれれば必ず幸せをつかめるはず、と多くの保護犬を幸せへとつないできたメンバーは確信。その日が来るまで世話し続けることを決意しました。
■そっくりなのに収容状況には違いが…
つぶらちゃんの保護から数日後、同じ保健所にまた1匹のワンコが収容されました。聞けば、「捕獲器にかかった」ことから「元野犬」と判断されたワンコで、推定年齢は約9カ月。つぶらちゃんとそう変わらない月齢です。
そして、毛並みやクリクリの目がつぶらちゃんとよく似ています。必死に気配を隠し、顔を体に丸め込む様子までそっくりです。
「どう見ても姉妹」とメンバーは確信しましたが、不可解なのは、つぶらちゃんが元飼い主からの持ち込みで、このワンコは「捕獲器にかかった」ということ。
以下はあくまでも筆者の推測です。
元飼い主は2匹とも意図的に棄てたものの、つぶらちゃんが自力で家に戻ってくるなどし、そこでつぶらちゃんだけ保健所に持ち込んだということ。そしてこのワンコは棄てられた後、彷徨い続けたところで捕獲器にかかったー。
こんな経緯が想像されますが、後に収容されたこのワンコには、「ひとみちゃん」という名前がつけられ、つぶらちゃんと一緒に幸せを目指すことになりました。
■過度に意識し合う不自然さも「姉妹」と思わせた
2匹は同じ家で過ごすことになりました。「久しぶりの再会に喜び合う2匹」を関係者は想像しましたが、2匹ともお互いに知らん顔です。2匹とも他の先住犬たちとは尻尾をブンブン振って遊ぶのに、つぶらちゃんとひとみちゃんだけは、過度に意識しているのか、一定の距離を保ち続けるのでした。
久々の再会に照れているのか、元飼い主のもとで仲が悪かったのか。過度にお互いを避ける不自然な様子がまた「姉妹である」ことを感じさせました。
2匹の行動パターンや所作は似ていて、寝ている姿は一瞬見分けがつかなくなるほど。以前の飼い主の元でどんな経緯があったのかはわかりませんが、どうかこの家で打ち解けてもらい、姉妹一緒に幸せへとつながることを願うばかりです。
(まいどなニュース特約・松田 義人)