子どものいない「おひとりさま」シニア 財産は誰に相続する?…「決めていない」が6割超
配偶者や子どもがいないシニア世代の単身者が、自身の財産を誰に相続させるかで直面する「おひとりさま相続」の課題。ベンチャーサポートグループ株式会社(東京都中央区)が運営する『ベンチャーサポート相続税理士法人』は、このほど「おひとりさま相続」に関する調査結果を発表しました。調査は、全国の子どもがいない65歳以上の既婚者・独身者1007人を対象に、2023年12月にインターネットで実施されました。
まず、「これまでに『相続』について考えたことはありますか」と質問したところ、半数近くが「考えたことがある」(48.2%)と回答したのに対し、おひとりさま相続について「調べたことがある」と答えた人は、全体のわずか8.4%にとどまりました。
次に、「誰に相続する予定ですか(既婚者の場合は、配偶者の亡き後と仮定)」と聞いたところ、6割以上の人が「決まっていない」(64.7%)と答えました。
「誰に相続するか決まっていない理由」について回答者からは、「一人では決められない」「まだ現実味がない」「終活には早いと思っている」といったコメントが寄せられました。
他方、「誰に相続するか決まっている」と回答した356人を対象に、その理由として最も当てはまるものを教えてもらったところ、「自分が亡くなった後に、周囲に迷惑をかけたくないから」(36.8%)、「相続したい相手がいたから」(28.1%)、「終活の一環として財産を整理しておきたかったから」(13.2%)、「国庫に帰属することを避けたいから」(12.9%)といった回答が並びました。
また、自分が認知症などになったときに備えて「任意後見制度の利用を検討したことがある」と答えた人は、全体の9.5%と少数でした。
さらに、認知症などになって口座が凍結されるのを未然に防ぐため「家族信託を検討したことがありますか」と聞いたところ、「ある」と答えた人はわずか6.3%でした。自分が亡くなった後の葬儀、お墓、遺品整理などのため「死後事務委任契約を検討したことがある」(10.0%)と答えた人も、1割にとどまっています。
ちなみに、安否や健康状態の確認などの「おひとりさま見守りサービスの利用」については、3割近くの人が「利用したいと思う」(27.8%)と回答しました。
なお、「相続人がいない場合、亡くなった人の財産は最終的に国庫に帰属する」ことについては、約7割の人が「知っている」(70.4%)と答えたそうです。