今や5割は「キャッシュレス決済が多い」現金は使わない派も 年収が低いほど増加傾向にあるのは?

キャッシュレス決済が着実に浸透しつつある昨今、その利用実態はどのようなものなのでしょうか。マーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(東京都渋谷区)が実施した「新紙幣とキャッシュレス」に関する調査によると、低収入層は“現金派”が多く、高収入層では”キャッシュレス決済”に積極的であることが分かりました。

調査は、普段買い物をする全国の20歳以上の男女1000人を対象として、2024年4月にインターネットで実施されました。

まず、「買い物などの支払い方法」について調べたところ、全体の51.8%が「キャッシュレス決済をすることが多い」と回答。また、最もキャッシュレス決済に積極的な「キャッシュレス決済しかしない」と答えた人は6.0%でした。

また、「キャッシュレス決済しかしない」と答えた割合を性年代別で比較すると、20代男性(11.0%)で唯一10%を超えました。

60代以上においては、男性は「現金派(現金でしか支払わない・現金で支払うことが多いの合算)」が32.0%と全世代中で最多に。一方、女性では全世代の中で最も「キャッシュレス派(キャッシュレス決済をすることが多い・キャッシュレス決済しかしないの合算)」が多く、72.0%となりました。

続けて、「普段利用する支払い手段」を聞いたところ、「現金」(76.3%)と「クレジットカード」(73.3%)に回答が集まり、現状ではまだ現金がやや優勢であることが分かりました。

現金利用者の割合を世帯年収別にみると、「400万未満」の77.3%に対して「1000万以上」の層では73.0%、一方、キャッシュレス決済利用者では、「電子マネー」「スマートフォン決済」「携帯キャリア決済」「オンライン決済サービス」のいずれも年収が高くなるほど利用者が増えていました。

この結果について同社は、「高収入者の場合、仕事やプライベートでの国内出張・海外渡航や、海外への送金を行う機会が多いことが予測されるため、利用するキャッシュレス決済が豊富になっていったのではないか」と考察しています。

次に、今後、「利用頻度を減らしていきたい」支払い手段を聞いたところ、「現金」(28.6%)、「銀行振込や口座振替」(17.3%)、「仮装通貨を利用した決済」(16.6%)といった回答が上位に挙げられました。

一方、今後、「増やしたい手段」で多かったのは「QRコード決済」(23.8%)と「ポイントカードやポイントアプリを利用した決済」(20.0%)が20%を超えています。

同社は、「どちらもポイント還元率が高かったり、キャッシュバックキャンペーンがあったり、さらには『ポイント二重取り』が可能であったりと、現時点でお得感のある支払い手段として、今後もできるだけ生活に取り込もうとする動きがあるようです」とコメントしています。

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