家猫に避妊手術せず生まれた子猫を次々に遺棄? 痩せ細ったきょうだい猫を保護→「もう一度猫と」と願う飼い主の元ですくすく育つ
■団地に住む高齢者が子猫を遺棄か
琥珀ちゃんとシルバちゃんは、大阪市内の小学校の近所にある古い長屋に遺棄されていた。心配した住人が保護活動をしている瓜破猫の会の井田さんに相談し、保護されたという。
「そこに住む方から、『3日前から子猫の鳴き声がする』と連絡があり、2023年12月12日、仕事終わってから6時過ぎに現場に行って保護しました。生後3ヶ月近いのに逃げもせず、手でキャリーに入れられました。外猫だと確実に逃げてしまうサイズです。」
長屋のおばあちゃんは、そこには毎年子猫が遺棄されていると言った。
「近くの団地に住む高齢者が飼い猫に不妊手術をせず、産まれたら遺棄しに来ていました。この地域にはTNRした桜耳の子達がいて、不妊手術をしていない猫はいませんでした。琥珀とシルバが突然現れたことから考えると、同じ人に捨てられたのだと思います。少しカリカリが食べられるようになってから遺棄されたと思います。」
2匹とも月齢のわりに体重が少なく、背中の骨が浮き出ていた。保護した日も、怯えるより食べることに必死だったので、満足にごはんを貰えていなかったと考えられている。あまりにも痩せていたので、保護当時はワクチンも打てなかったそうだ。
「シャンプーしてもノミダニは1匹もおらず、糞もなく、お湯が濁ることも無かったです。茶トラならもっと汚れが目立ちますがきれいでした。獣医さんも、『遺棄されたね』と言っていました。」
保護した時、茶トラのお姉ちゃん琥珀が大きくて少しビビりの弟シルバくんを守って面倒みていたという。
「本当に仲良し姉弟です。すぐに琥珀ちゃんとシルバくんを2匹揃って迎えてくれるというAさんからご連絡をいただき譲渡しました。」
■もう一度猫と暮らしたい、夢を叶えてくれた2匹
大阪府在住のAさんは、以前アメショーを飼っていたが17歳で亡くした。それから8年の歳月が経ち、猫のイラストを描くようになってインスタを始めたら、猫好きの人達と沢山知り合ったという。
「そうこうするうちに、あの頃のように猫と暮らしたいと思う様になりました。保護猫施設の方から色々話を聞いて、保護猫なら猫ちゃんを助けることにもなるし、自分も何か役に立てたらと思って、瓜破猫の会のインスタを教えてもらいました。その時ちょうど琥珀とシルバの里親募集の投稿を見て一目惚れしました。」
体毛の色から、それぞれ琥珀ちゃん、シルバくんと名付けた。
「昼間は良く眠っていて、2匹とも食欲旺盛です。琥珀ちゃんは最近丸くなってきました。シルバくんはスマートでチーターみたい。遊びが大好きで、動きたい時は自分でおもちゃを持ってきて『遊んでー』とせがみます。琥珀はシルバが遊んでいる時は遠慮して遠くから眺めているけど、本当は自分も遊びたいみたいで、隙をついて走ってきたりしますw」
2匹はたまたま保護されたから良かったようなものの、長屋の人が放置していたら餓死したかもしれないし、事故で亡くなったかもしれない。井田さんは言う。
「外猫は確実に減ってるのですが、最近は高齢者の方が家猫に手術せず、子猫が産まれると遺棄するので、また外猫が増えています。今のボランティアたちの悩みです。必ず不妊手術をして飼ってほしいし、遺棄は犯罪だと認識してほしいと思います。」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)