首がザックリ傷ついた野良猫「保健所に連絡されるかも」警戒心強い子に近づいたカリカリ捕獲大作戦

白黒くんは、2017年2月、首に怪我を負った状態で発見された。発見者は、愛護団体NPO法人ねこけん(以下、ねこけん)に通報した。

「首に怪我をしている猫がいて、いつも同じ場所でうずくまっている。保健所に連絡するという話も出ていて危険だということでした。その地域は、過去にねこけんで大規模TNRをしたり、数頭を保護していた地元の現場でした。」

触れるということだったので、洗濯ネットを持ってメンバーが捕獲に行くと、確かに首に大怪我をしている白黒くんがいた。しかし、近づくとダッシュで逃げてしまった。

「よく、餌やりさんから『馴れています』と伺うのですが、馴れているのは餌やりさんにだけで、他人には全く馴れていないことも多々有ります。」

■捕獲は難航

再び夜に出直すと、白黒くんは昼間と同じ場所にうずくまるように寝ていた。そっと近づき捕獲器を置いたが、ダッシュで近くの駐車場へ逃げてしまった。

「すぐに、その駐車場に捕獲器をかけて様子を見ましたが、なかなか入りませんでした。代表が『あの子、ドライフードの方が好きだと思う』と言うので、白黒くんに向かって、ドライフードのおやつをぽんぽんと投げてみたら、そろそろと近づき、カリカリと食べたんです!」

手にまたたびのカリカリのおやつを乗せて差し出すと、もう少しで手から食べそうなところまで来た。しかし、比較的人の通りの多い道路では、「猫が手に近づくと人が通り猫逃げる」の繰り返しだった。引き続き、捕獲器を仕掛け、少し離れた所で見張りを続けていると、体の半分位までは捕獲器に入るものの、するすると後ずさりして出てしまう。

数回繰り返し、そのうち白黒くんが動き出しました。しかし、再びダッシュで元の場所へ戻ってしまいました。そうこうしている内に、白黒くんは暗闇に姿を消してしまったという。後日改めて捕獲することになり、その日は深夜に撤収した。

その後、無事捕獲された白黒くん。動物病院で診てもらうと、幸い命には別状はなく治療後はしばらく入院し、退院後は傷が癒えるまで保護猫生活をすることになった。毎日投薬と治療を続けていたら、傷はだんだん治ってきた。

「もともと地域の人に可愛がられていた白黒くん。傷が治っていくのと同時にねこけんのメンバーも触ることができるようになりました。私たちは白黒くんがいた場所に、保護したことやこれから里親を探すことを記した手紙を貼りました。」

ねこけんには、白黒くんのように里親を探している猫が数百匹いる。猫を飼おうと思っている人は、ペットショップに行く前に、譲渡会に足を運んでみるのもいいのではないだろうか。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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