10周年迎えたハスラー 武骨さとカッコよさを両立 新タイプ「タフワイルド」にみる第2フェーズの予感

2014年に軽ワゴンとSUV を融合させた、いわゆる「軽クロスオーバー」モデルとして登場したスズキ・ハスラー。発売10年での国内累計販売台数は約48万台。街乗り・遊びなどの幅広いニーズに応えた点が、支持理由でしょう。さらに「わくわく広がる遊べる軽」のコピーの通り、ポップで明るいイメージで、幅広い層を取り込んだのではないでしょうか。

初代登場から10周年を迎えた2024年5月、新タイプが追加されました。「タフワイルド」というタイプでアウトドアシーンでもバリバリ活躍しそうなビジュアルです。

■そもそも現行ハスラー自体が、「アウトドア寄り」を意識していた

ハスラーの現行モデルの2代目は、2020年に登場。

スズキによれば、初代のボディデザインの個性をそのままに「アウトドア用アイテム・ウェアを日常的に使うライフスタイルが認知され始めたことを受け、従来のハスラーに『タフ』『力強さ』を加えた」と言い、インテリアなどにもタフな印象を与えたとも。そもそも「アウトドア方向に寄った」のが現行ハスラーだったようです。

■さらに無骨さを強調させた「タフワイルド」

新タイプの「タフワイルド」は、さらにもう一歩アウトドアに歩み寄った印象。

目を引くのがフロント周りのルックス。従来モデルに対し、あえての大きめフロントグリルで「黒い印象」を高めつつLEDフロントフォグランプはスクエア型に変更。さらにボディ随所の装備もソリッドブラックが多用され、ハスラーが持つポップなイメージからタフなイメージへと印象を変えています。室内インパネにはマットカーキなどの差し色が入っています。

無骨さをあえて際立たせることで「カッコ良さ」を追求しているのが「タフワイルド」の特長でしょう。

■「タフワイルド」で変わるハスラーのイメージ

筆者のハスラーへの印象は、「優しいママさんや穏やかなパパさんが乗る軽クロスオーバー」でした。

しかし、「タフワイルド」の登場で印象はがらりと変わりました。アウトドアシーン、アクティビティシーンでもバリバリ使えるイメージで、同時に10周年を迎えたハスラーが次なるフェーズに突入しつつあるようにも感じます。

同じスズキのロングセラー・ジムニーが、当初、悪路などでの実用性から後にタウンユースに幅を広げたことに対し、ハスラーは多様なニーズに呼応する軽クロスオーバーから、アウトドアユースに舵を切ったのかもしれません。

かなり気になる「タフワイルド」ですが、価格は2WDモデルで176万円~、4WDモデルで189万4千2百円~。ジムニーともさほど変わらない価格帯で、どちらを選ぶかを検討し悩むこと自体もまた楽しそうです。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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