新富裕層「インカムリッチ」の条件は 世帯年収1500万円 投資リテラシー抜群 ご褒美消費の意欲高め
近年、共働き・パワーカップル世帯の増加などによる新たな富裕層が出現しているといいます。株式会社博報堂(東京都港区)は、この新たな富裕層の出現に着目し、世帯年収1500万円以上の生活者を「インカムリッチ」と名付けて、「新富裕層”インカムリッチ”生活者調査」を実施しました。その結果、インカムリッチの割合は、全体の2.4%であることが分かりました。「インカムリッチ」と呼ばれる人は、お金や時間、消費などにどのような意識を持っているのでしょうか。
調査は、全国の20~69歳の男女2451人(うち、世帯年収1500万円以上のインカムリッチ 1424人)を対象として、2023年12月にインターネットで実施されました。
調査によると、「インカムリッチの割合」は全体の2.4%で、最も多いのは男女ともに「40代」(男性17.1%、女性16.6%)、次いで「30代」(男性12.8%、女性14.7%)が続きました。
また、「職業」については、インカムリッチの約2人に1人が「会社員」(51.0%)で、そのうち約3人に1人が「上場企業の会社員」(28.0%)であることが分かりました。
次に、「保有する資産」をみると、「現金・預貯金」(インカムリッチ88.4%、全体78.1%)が最多に。次いで、「自宅の土地」(同45.4%、同26.6%)、「株式」(同45.4%、同19.1%)、「生命保険」(同41.1%、同23.9%)、「投資信託」(同34.8%、同17.3%)や「貴金属・宝石類」(同18.9%、同6.0%)と続き、どの項目も全体より10pt以上高くなっていました。
また、「資産運用・投資に対する意識」について聞いたところ、インカムリッチは「短期的な利益より、中長期でのリターンを重視」(61.1%)、「リスクを考え、資産の配分を管理」(54.6%)、「ネット証券などを通じて自分で投資」(51.5%)、「貯蓄よりも投資にお金を回したい」(46.3%)と回答した人が、全体より10~20ptほど多くなっていました。
特に30~40代男性では、「ネット証券などを通じて自分で投資」(63.0%)、「貯蓄よりも投資にお金を回したい」(59.7%)という意識が6割前後と高く、投資への意欲が高いことがうかがえます。
他方で、インカムリッチの「時間・生き方に対する意識」については、「健康や心の豊かさのためにお金をかけている」(56.3%)、「タイムパフォーマンスを重視」(50.4%)、「ゆとりを得るためにお金をかけることを惜しまない」(46.5%)など、いずれの項目においても、全体より10pt前後高くなりました。
特に子育て世帯が多い「30~50代女性」では、これらの意識がさらに10pt前後高く、効率化しながら心身のゆとりのための時間を捻出することへの意欲が高いことが見て取れます。
最後に、「消費に関する意識」では、全体とインカムリッチで「節約・倹約意識が高い方だと思う」(インカムリッチ23.0%、全体24.7%)という意識に大きな差は見られなかった一方で、インカムリッチは「今の生活を楽しむためにお金を使いたい」(同21.2%、同14.7%)、「自分へのご褒美のために贅沢をしたい」(同17.8%、同12.8%)、「新しいお店や場所に積極的に出かけるほうだ」(同10.4%、同6.0%)といった項目で意識が高い傾向にあることが分かりました。
特に20~30代女性は「自分へのご褒美のために贅沢をしたい」(同34.1%、同17.8%)という意識が3割を超え、「ご褒美消費」の意欲がより高い傾向がみられたそうです。