体を伸ばせない狭いケージ 保護された元猟犬は痩せこけ褥瘡があった 体力取り戻して元気にラン 「幸せがあなたに訪れますように」
静岡県浜松市の山間部で、2匹の猟犬をしたがえ猟師をしていた高齢者男性。病気で猟師をするのが困難になり、2匹の世話もできなくなってしまいました。
1匹は畑の真ん中の杭に繋がれたままで屋根も日除けもなく、満足なエサも与えられません。もう1匹は小さなケージに押し込められていて身動きが取れない状態でした。
■ケージのワンコを保護団体が引き取ることに
2匹を心配した近隣の人が、静岡県の保護団体・アニマルフォスターペアレンツ(以下、アニマルフォスター)に相談。これを受けたスタッフは迷わず引き取ることにしました。畑の真ん中にいたワンコは近隣で暮らす方が引き取ることになり、アニマルフォスターではケージの中に押し込まれたワンコを引き取りました。
■長らくケージの中にいたせいで、その体はボロボロ
ケージの中にいたのは「ハル」というメス。猟犬・プロットハウンドの血が入ったミックス犬のようです。スタッフがケージからハルを出すと、初対面にもかかわらず満面の笑みを浮かべていました。
猟師だった高齢者が2匹の世話をできなくなったため、山で暮らす人たちがエサを与えたり、頭をなでていたとのこと。そのためハルは人間を信頼しているようでした。ですが、劣悪な環境に長期間いたため、ヨタヨタ歩き始めたハルのお尻には褥瘡(じょくそう)がありました。あばら骨が浮き出るほどやせていました。
■猟犬時代を思い出し元気いっぱい走り回るように
それでもやはり元猟犬です。ケージの外に出てしばらくすると、りりしく歩いてくれるようになりました。
スタッフは栄養価の高いエサをしっかり与え、ハルが体力を取り戻してくれることを目指しました。保護からほんの数週間、みるみる太ってくれ、さらに元気いっぱいに走り回ってくれるようになりました。
保護時に見せた人馴れぶりも変わらずで、今日も体をいっぱい動かし笑顔でスタッフの顔を見つめてきます。4歳ほどになるハルですが、これからの犬生はまだまだ長いはず。ハルが元気いっぱいに体を動かすことができ、とびきりの笑顔を見せ続けてくれるような環境で第二の犬生を送ってほしいと思いました。
(まいどなニュース特約・松田 義人)