ゴミ捨て場で鳴いていた生後3日頃の猫 「小さすぎて育てられないかも」悩んだ親子が取った行動は…
■ゴミ捨て場で鳴いていた乳飲子の子猫
レオちゃんは、ゴミ捨て場で鳴いていた。保護主のAさんは、ゴミを捨てようとゴミ置場に行った時、どこからか微かな子猫の鳴き声を耳にした。鳴き声を頼りに娘さんと猫を探すと、その先に小さな子猫が一匹で鳴いていたという。
まだ生後3日くらいしか経っていない乳飲子だった。今まで、子猫を拾ったり保護したりして自身で譲渡して来たが、今回見つけた子猫は余りにも小さくて、育てられないかもしれないと悩んだそうだ。
Aさんは、とりあえずレオちゃんを病院へ連れて行き、ミルクの与え方を教わり、何とか自力で授乳した。しかし、家を空けることもよくあるため悩みに悩んだという。ねこけんには、Aさん以外にも、「子猫を保護しました」という相談は結構あるそうだ。
■「子猫を保護しました」
「子猫を保護しました」と、Aさんは愛護団体NPO法人ねこけん(以下、ねこけん)に相談した。「保護したのは私です。責任があるのは分かっていますが、どうか引き取って頂けないでしょうか?」と。ねこけんの代表は、乳飲み子を育てる大変さをよく知っている。「そこまでご自身で頑張ってくださったんだから、引き取ろう!すぐに「連れてこられますか?」と尋ねた。
可愛い女の子とお母さんがレオちゃんを連れてきた。
「受け取ってすぐにノミ取りをしてミルクを飲ませましたが、子猫は勢いよくミルクを飲みました。オシッコも出て元気でした。」
母娘は、その様子を見て安堵したようだった。お母さんの顔を見上げて、「良かったね」と笑顔を見せた娘さん。その笑顔には、子猫を助けたいという想いと、助けられたという喜びが滲んでいた。
「子猫を見つけても「捨てて来なさい』『汚いから触っちゃダメ』という親御さんもいますが、今回は、お母さんへの感謝と愛情がこもっていたと思います。レオの名付け親は、娘さんです。娘さんは、貯めていたおこずかいで『私は欲しい物は我慢できるけど、この子はミルクが無いと生きられないから』とミルクを買ってくれました。」
その後、レオちゃんはベテランミルクボラさんのSさんに託され、ミルクをごくごく飲んで順調に成長したという。保護主のAさんは、「2年生の娘は殺処分という現実をまだ知りません。できれば、そんな説明をしなくても済む世の中になって欲しい」と願っている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)