両脚がバキバキに骨折した子猫→手術を乗り越え、命のリレーで助かる「幸せな笑顔になるなんて…」保護団体も感動の支援の手

猫のむーちゃんは、両脚がバキバキに折れた状態で保護された。「子猫を保護したけど、歩き方がおかしい…体重は1.5kgくらい」と、愛護団体NPO法人ねこけん(以下ねこけん)に相談があったのは2022年9月だった。

相談者はねこけんの回答を待つ間、急いで子猫を病院へ連れて行き、診察を受けさせた。

「下腿骨、足根骨の付け根あたりを両足骨折していました。今は、食事も排泄も自分でできていますが、今後骨が飛び出してしまう可能性が高く、整形外科専門医でないと治療できないということでした。皆様、大怪我をした子猫を何とか助けたいという思いはありますが、仕事があったり、付きっきりでお世話ができなかったり、医療費が出せなかったり、さまざまな理由で保護ができません」

もちろん、ねこけんメンバーも同じような事情ではあるが、誰かが引き受けなければならない。代表は、悩みながら…「受け入れ先を探そう!」と言った。

「急いでメンバーに聞いて回ると、支部幹部が手を挙げてくれました。ただ、手術代も何とかしなければなりません。すると、相談者様が『何十万する手術代はかき集めます!手術にも連れて行きます!その後、お願い出来ますでしょうか?』と言ってくれたのです」

そこまで頑張れる人はなかなかいない。 むーちゃんは手術を乗り越えた。

「後ろ脚の関節部分の骨がバキっと折れ、もう1本の脚も太い骨がバキっ!と折れていました。そこを長いビスで固定し、スプリントで固定する複雑な手術でした」

■ずっとのおうちに向けて出発!

術後は、ねこけんで全て引き受けることに。しかし預りOKだったメンバ-宅に急遽FIPの子猫さんが来ることになり、保護場所が無くなってしまった。むーちゃんは歩けないため、排泄の介助ができる人が必要だった。

「万事休すと思われましたが、骨盤骨折の猫・うずらちゃんを預かってくれているボランティアさんが『私でケアが出来る子ならOKですよ』と引き受けを快諾してくれました」

ボランティア宅に行く頃には元気になってきたむーちゃん。スプリントが嫌なようで、「うん。これ嫌いなの。早く外して欲しいの」と言うかのように、訴えるほど。自分でキャリーに戻るほどよく動いた。一緒に暮らすことになった、うずらちゃんとはすぐに仲良しに。一緒に遊ぶようになったが、まだ脚を上手に動かせるわけではないので、ノリノリになってくるとIさんが止めた。

11月、足もすっかり良くなって譲渡会に参加したむーちゃん。無事、里親が決まったという。

「一人っ子で、甘えたい放題のおうちです。命のリレーで助かったむーちゃんは強運の持ち主なんでしょう。目の前にむーちゃんのような大怪我をしている子がいたら、『私には何もできません』ではなく、勇気を出して病院へ連れて行ってあげてください。それが無理ならば、命を繋げられるように、近くのボランティアさんにアドバイスや、お手伝いをお願いしてみてください。こんな幸せな笑顔を見られるように!」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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