歩いたら市から5000円!? 「うちの自治体もやって欲しい」「全国展開を」驚きの効果について、市長に聞いた

「総社市は歩いたり走ったりすると商品券がもらえます。この政策により医療費が一億円以上削減されました」

運動したら商品券が支給される?!そんな制度あるの?!と思わず驚いてしまうX(旧Twitter)への投稿が注目されました。投稿主は、岡山県総社市長の片岡聡一さん(@souichikataoka)。

コメント欄には、この珍しい取り組みに興味津々な人からたくさんの声が寄せられ、隣市の民も羨んでいる様子がうかがえます。

「うちの自治体もやって欲しい」

「全国展開にならないんでしょうか?」

「岡山市もやってくれないかなぁ…」

賛辞の声が集まる一方で、どのような仕組みでこの事業がなされているのか、知りたいというコメントも!

「商品券の支出がどれほどかにもよるけど、商品券が使われても経済が回るわけだし医療費への支出よりは地域全体に還元されてるのかな」

「この政策のビフォアアフターで、該当する世代の医療費が一億円削減できたということ? 実は子ども減ったから、とかじゃないですよね。そこはきちんと確認したくなってます。本当なら素晴らしい政策です」

この取り組みの詳細について、片岡聡一市長に取材しました。

■なんと医療費1億円以上削減という効果も!?

ーー今回投稿された『“歩得”健康商品券事業』の取り組みは、いつからどういう理由で始まったものですか?

「医療費のみに関わらす、介護費、人口増、市民の幸せ感をアップするために始まった取り組みの一つです。最初は国民健康保険加入世帯に向けて、家族を含め一年間、病院にかからなかったら家族一人一万円キックバックプレゼントという政策を行いました。この時も医療費は削減され、厚生省から表彰を受けたんですが……実は日本医師会から抗議を受けてしまいまして。その後、紆余曲折を経て、この『“歩得”健康商品券事業』にたどり着いたんです。基礎自治体は財政や人口のことも考え、『病気や介護の前段階に、もっと投資するべきである』と考えての取り組みです」

ーー歩くだけで、本当に商品券がもらえるんですか?

「はい、歩数計やスマートフォンアプリを活用して歩数の測定、健診(検診)受診、指定講座等への参加でポイントを貯めていきます。歩数等はインターネット上で確認できるとともに、参加者に年3回届く歩得通信でも毎月の歩数をお知らせする仕組みです。

ポイントが貯まったら、市内の登録事業所で最大5000円分の商品券と交換ができます。開始当初は年間最大1万円分でしたが、参加者が倍増したため、やむを得ず半額とし、より多くの方に参加いただけるようにしています。参加条件は、市民または市内在勤者で、申込時で20歳以上の方が対象です」

ーーちなみに、その商品券はどこで使えるんですか?

「令和6年4月1日現在、総社市内の約210店舗で使用できます」

ーー地域の活性化にも繋がりますね。ざっと累計どれくらいの人々が参加されているのでしょうか?市民の評判や声はどうですか?

「事業開始後、のべ23600人の方が参加してくださり、直近の2023年度の歩得健康商品券事業には、令和6年3月31日現在で4725人の方が参加されています。

市民の方々からは以下のようなお声をいただいています」

・総社市の市政と一体感を今まで以上に持てた

・病院に行く回数が減った

・薬に頼らなくなった

・今後も歩き続けたい

・健康を意識するようになった

・一緒に歩く友達が増えた

ーーこの事業により医療費が1億円以上削減されたとのことですが、いつからいつまでの合計でしょうか?ちなみにやっぱりみなさんが率先して運動するようになったから医療費が減ったのですか?

「平成30年度~令和2年度の3年間で、約1億4千万円削減されました。また平成30年度~令和4年度の5年間では、約3億円の医療費が削減されたと試算しています(国民健康保険や後期高齢者医療の医療費等を基に試算し、協会けんぽ等も加味したものです)。やっぱりみなさんが意識して歩くことで、健康のボトムアップになっているのかもしれません」

ーー今後の取り組み予定などはありますか?

「令和6年度から、“歩得”と“リン得”(自転車の走行距離でポイントを貯める)が一つになってリニューアルしたんです。各種イベントの企画も検討中ですので、楽しく健康づくりに参加してくださる方が増えていくことを願っています」

医療費の増大で、10月から自己負担額が上がる薬もあるという昨今。ますます進化する総社市の取り組みは、他府県民にとっても羨ましい限りですね。歩いて健康になって、ちょっとダイエットもできたりして、そのうえお小遣いが5000円もらえるなんて、総社市移住を考える人も出てくるかもしれませんね!?

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・東寺 月子)

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