1匹また1匹 エサ目当てに庭に現れる猫たち 「不妊手術をしなければ」 家主の思いを受け7匹のTNRが始まった

関西エリアのとある民家の庭先に、1匹また1匹とエサを食べにくる複数の猫がいました。

ほぼ毎日来るレギュラーメンバーの4匹、気まぐれで来たり来なかったりするのが4匹いるとのことですが、いずれの耳にも不妊手術実施済みのしるし「さくらカット」がありません。これを心配した庭の家主さんは「みんなが幸せに過ごしてくれるように」と願い、猫のあらゆるお世話をする会社「ねこから目線。」にTNRを依頼しました。

■該当猫さんの視線を受けながら捕獲器を設置

依頼を受けたスタッフは後日、捕獲のためにその庭に訪れ、えさ場を見せてもらいました。ふと視線を感じ振り返ると、屋根の上には3匹の猫さんがジッとスタッフの様子を見ていました。この状況で捕獲器を設置するというのも、思惑を見透かされているようにも思え、なんだか気まずいですが、それでも庭のえさ場と通り道となる場所にも捕獲器をセットしました。

設置後ほどなくしてまずはレギュラーメンバーの4匹の猫さんがすんなりと捕獲器の中に入ってくれました。

■結果的に7匹の猫さんのTNRを実施できた

問題は神出鬼没の残りの4匹。現れるタイミングが不規則なので、スタッフは家主さんに捕獲器の使い方や捕まった際の保護のやり方をなどを説明し、いったん退散。翌朝、この庭を訪れると、捕獲器の中に3匹がインしていました。

残る1匹については捕獲できませんでしたが、それでもこの短期間に7匹を捕獲できたことは上出来です。すぐに動物病院へと連れて行き、不妊手術を実施しました。

1匹ずつ「さくらカット」をし、その翌日、元いた庭で捕獲器を開けてリターンしTNRを終了。捕獲器から飛び出す猫たちを前に家主さんもスタッフも目を細めました。

■かなりスンナリ実施できたケース

今回のTNRは、猫たちが日常的に庭にえさを食べにきていたことから、家主さんへの警戒心が薄くスムーズに実施できたケースです。

そうではない現場も多くあります。地域でただただたむろする猫たちなどは、警戒心むき出しで、なかなか捕獲器に入ってくれず、結果的に数日もの時間を要することも珍しくありません。

いずれにしても、TNRは外で暮らす猫さんたちにとって、安心へと繋げられる最善の手段。さらにこの取り組みが広がり、多くの外猫さんたちと「ともに生きる」環境作りが整っていくと良いなと思いました。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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