迷子になった飼い猫 向かった先にはそっくりのキジトラ外猫がいっぱい 決め手となった「まん丸の手」だった

2024年3月、飼い猫が民家から飛び出してしまいました。キジトラのマロンという3歳ほどのメスです。

避妊済みではあるものの、飼い猫であるため「さくらカット」はなし。春先は猫の発情期。交通事故などに遭わないことはもちろんですが、外で暮らす猫たちから攻撃などを受けることなく、無事に戻ってきてくれるよう飼い主さんはひたすら願いました。そして、猫のあらゆる世話をする会社「ねこから目線。」に捜索を依頼しました。

■動画に映り込むキジトラが…

「ねこから目線。」スタッフがすぐに民家へ。得られた目撃情報などから逃げたと思われる経路を調査。マロンの足取りを追いました。地域には外猫たちにエサを与えている民家があり、家主さんも捜索に快く協力してくれることになりました。

複数の場所にカメラを設置して様子を見ることにしましたが、地域にはたくさんの外猫がおり、その多くがマロンと同じキジトラです。動画に映り込むキジトラの全てがマロンに見えてくる…トランプの「神経衰弱」ゲームのような状態が続くのでした。

■決め手となったマロンの「まん丸の手」

捜索を続けること数日。ついにマロンの背格好とよく似たキジトラが動画に映り込みました。3軒先の集合住宅付近です。

ここでもまた「本当にマロンなのか」問題が浮上。飼い主さんも目を凝らして確認したところ、決め手となったのは、マロンの「まん丸の手」でした。

ポコっとしてかわいい「まん丸の手」、そして周辺の柄も間違いなくマロンそのもの。「間違いない」と本格的な捕獲に乗り出すことになりましたが、さらに考慮しなければいけない問題もありました。

■マロンは捕獲器に入った経験がある猫だった

マロンは過去に捕獲器に入った経験があり、捕獲は容易ではないことでした。スタッフは手動タイプを設置し、マロンを待ち続けました。

ここでもまた、捕獲器付近に複数のキジトラの外猫がやってきて、スタッフをやきもきさせましたが、慌てずに待ち続けること4時間。やっと正真正銘のマロンが捕獲器にイン。スタッフが手動で扉を閉め、保護に成功しました。

家を出て16日、マロンは無事に飼い主さんの元に帰ることができました。家に戻ったマロンは堂々とした表情を浮かべ、悪気はない様子。あの「まん丸の手」で部屋をちょこちょこ歩く姿を見ると、どうも叱れなくなってしまう飼い主さんでした。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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