テナントビルで増え続ける外猫 建物内は糞尿の臭い 「野良猫ビル」13匹の一斉保護が始まった
和歌山市内のとあるテナントビルに、数年前から外猫たちが住み着くようになりました。住民が餌を与え続けた結果、猫たちは繁殖を繰り返し、数が増え続ける一方。ビルの階段や廊下には猫の糞尿の臭いが漂いました。
■餌やりが問題に
最初の原因は、ビルの住民が外猫たちに餌を与えていたことでした。餌を与えるだけで猫たちの健康管理や避妊・去勢手術は行われず、放置していました。やがてこの状況を知った地元外の猫好きたちが大量の餌を撒くようになり、猫の数がさらに増加しました。
このビルに訪れる車によって、外猫たちが轢かれる事故も増え、地域社会では問題視されるようになっていました。
■保護活動の開始
事態を重く見た地元の保護猫団体「城下町にゃんこの会」は、2024年、このビルに住む13匹の外猫を保護することを決定しました。すべての猫には適切な避妊・去勢手術が施されることになったのです。
13匹のうちの一匹、めめちゃんは保護時に体調が非常に悪く、不自然に真っ黄色のおしっこをしていました。急遽、めめちゃんだけ避妊手術をストップし、獣医に診てもらった結果、肝臓病を患っていることが判明。治療を続け、めめちゃんは少しずつ回復し、健康を取り戻すことができ、里親募集することになりました。
「完全室内飼育が推奨される今、ビルで避妊去勢手術をせず『外猫』として暮らせさせることは、猫たちにとって絶対に幸せなことではない。外猫はTNRや保護など、人間が適切なサポートやお世話をすべき」と、スタッフは語ります。
今回の保護活動は、猫たちにとって幸せな生活への第一歩となりました。これからそれぞれの猫に、温かい家庭と幸せな猫生が待っていることを願うばかりです。
(まいどなニュース特約・松田 義人)