「最近、夫婦仲がよくない」と感じるあなたへ…「話し合いから始めてみましょう」 関係改善のアプローチ、夫婦カウンセラーからのアドバイス
結婚生活も長くなると、気持ちがすれ違うことも増え「最近、夫婦仲がよくない」と感じることがあります。夫婦仲を改善して円満な関係をもう一度築きたいと思っている人も多いでしょう。夫婦仲が悪くなる理由や、関係を改善する方法やきっかけづくりについて解説します。
■夫婦仲を改善したい!どうしたらいい?
どんなに仲のよい夫婦でも、一度や二度の夫婦喧嘩は経験するものです。もともとは他人同士ですから、考えや価値観の違いもあるでしょう。中には仲直りできないまま、夫婦仲が悪くなり、最後は離婚してしまうというケースも少なくありません。
アプリ開発のリライフテクノロジーが2023年7月に実施した既婚者へのアンケートによると、「現在、夫婦の仲はいいですか」という問いに対し「まったくよくない」と答えた人は9.4%、「あまりよくない」と答えた人は23.3%となりました。3割以上の人が「夫婦仲がよくない」と感じているようです。
いったい、どのような理由で夫婦の仲が悪化していくのでしょうか。夫婦仲が悪化していく理由や、夫婦仲を改善する方法やきっかけをカウンセラーが紹介します。
■夫婦仲悪化の原因となる悩みとは
夫婦仲が悪くなる理由は夫婦それぞれです。浮気や暴力、隠していた借金の発覚、義父母との関係などがきっかけとなることもあるでしょう。しかし、夫婦の仲の悪化の理由は多くの場合、日頃の生活の中に潜んでいて、何かをきっかけに互いの不満が爆発するものです。夫婦の不仲の原因となる悩みや気持ちのすれ違いなどについて解説します。
▽金銭感覚の違い
夫婦の間でよくトラブルになるのが、金銭感覚の違いです。金銭感覚は育った環境や過去の経験に影響されますから、夫婦で金銭感覚が異なるのは当然です。しかし、片方が節約家で、片方が浪費家などと大きく金銭感覚が異なると、日頃から喧嘩が絶えなくなってしまいます。
また、趣味を楽しむか、毎日の食事にこだわるかなど、生活のどの部分にお金をかけるのかで意見がぶつかることもあるでしょう。こうしたすれ違いが積み重なると、夫婦の間にヒビが入る可能性があります。
▽教育方針の違い
子供の教育方針も、夫婦の間でよく揉め事になる問題です。「勉強でもスポーツでも好きなことを存分にやればいい」という考え方の親がいる一方で、自分が良いと思ったことを熱心に子供に勧める親もいます。教育にもお金がかかりますから、やはり教育のどの部分にお金をかけるかで、夫婦の意見が対立することは珍しくありません。
特に妻が専業主婦の場合は、付きっ切りで子供の相手ができるため、子供の教育に熱を上げることがあり、夫の間で温度差が生じることもあります。子供の気持ちや意見も聞かずに夫婦喧嘩になることもあるので注意が必要です。
▽家事や育児の分担
家事や育児の負担がどちらかに偏っていると、片方が「どうして、自分だけが大変な思いをしないといけないのか」と不満を抱くようになり、夫婦の間で口論が絶えなくなってしまいます。特に産後や子供が乳児の頃は、妻もホルモンバランスの変化から感情的になりがちで、家事や育児をめぐって口論になりやすい時期です。
特に共働き夫婦なのに、どちらかがワンオペに近い状態になっている場合は、注意が必要です。仕事と家事、育児で、肉体的にも精神的にも疲労してしまうと、感情的にもなりやすく、家族に当たってしまうこともあります。そうなると、家庭の中は険悪なムードになり、気が休まる場所ではなくなってしまいます。
▽些細なことで喧嘩になる
ささいなことで喧嘩を繰り返し、仲直りをしないまま、互いに不満ばかり溜まっていくと、しだいに互いへの不信感が募り、夫婦間の信頼関係が損なわれていきます。相手に不信感を抱くと、相手の欠点や嫌な点ばかりが目につくようにもなり、イライラから「そばにいたくない」と思うようになることもあります。
▽相手からの愛情を感じられなくなる
夫婦生活も落ち着きを見せ始めると、二人の関係も落ち着き、それぞれが自分の時間を楽しむことも増えていきます。また、仕事や育児が忙しく、2人で過ごす時間は新婚時代に比べると減っていきます。これは自然な変化なのですが、それを寂しく感じ、「相手からの愛情が感じられなくなった」と嘆く人も少なくありません。
また、セックスレスになり「相手の愛情が薄れたのではないか」と感じる人もいます。こうした人は、相手の愛情を取り戻すため、相手に執着し、束縛してしまうことがあります。それに対し、相手が「過剰な愛情だ」と感じてしまうと、夫婦仲がぎくしゃくしてしまうので注意が必要です。
カウンセリングを受けることで、夫婦仲が悪化している原因に気づいて、関係を改善できるケースがあります。夫婦仲が悪いことに不安が生じているなら、ぜひリコ活のカウンセラーにオンラインでご相談ください。
■夫婦仲を改善する方法は?
悪化した夫婦仲を放置していると、しだいに夫婦の溝は広がり、愛情を取り戻すことが難しくなってしまいます。夫婦仲を改善しようと思ったら、早めに手を打つことが大切です。関係修復に効果が期待できる方法を紹介します。
▽夫婦でよく話し合う
夫婦仲を円満に保つ秘訣は、夫婦の会話を欠かさないことだと言われます。夫婦仲を改善したいと思ったときも、話し合いから始めてみましょう。しっかり話し合うことで、互いの気持ちを知り、問題解決に向けて前向きになれるかもしれません。
話し合いのときのポイントは、相手の話を最後まで聞き、決して否定しないことです。相手の話を遮り、頭から相手の意見を否定してしまうと、相手も反発するだけで話し合いになりません。冷静を保ち謙虚な姿勢で相手の話に耳を傾けましょう。
▽お互いの考えを認めて受け入れる
互いに価値観が違うと感じているときは、いったん、相手の考えを受け入れましょう。相手の価値観には、成育環境やこれまでの経験が大きく影響しています。「どのような経験が相手の価値観のもとになっているのだろう」と考えることで、少しは相手を理解できるようになるかもしれません。また、相手の考えの良い所を見つけることも大切です。
どんなに相容れない考え方でも、相手の立場になれば、理解できる部分もあるものです。そのうえで、自分の考えと折り合いをつけるにはどうすれば良いのかを考えましょう。夫婦といっても、もともとは赤の他人です。時には、妥協したり、自分から折れたりすることも必要でしょう。
▽感謝やお詫びの気持ちを言葉で伝える
夫婦になると、いつの間にか「家族だから」とつい相手に甘えてしまったり、傲慢な態度をとったりしてしまうことがあります。最初のうちは「少しのわがままくらい大目にみようか」と思っていた相手も、そうしたことが度重なると、しだいに我慢がならなくなってしまいます。
親しい間で、甘えたり、わがままを言ったりするのは、決して悪いことではありません。しかし、忘れてはならないのは「ありがとう」と「ごめんなさい」の言葉です。相手に甘えて何かやってもらったときは「ありがとう」、わがままを言って迷惑をかけてしまったときは「ごめんなさい」。感謝と謝罪の気持ちは常に言葉にして、相手に伝えましょう。
▽相手を信頼する
夫婦仲が悪化していくと、相手への不信感も募っていきます。「浮気をしているのではないか」「自分のことしか考えていないのではないか」と相手のことを疑い始めると、しだいに本音で話す機会が減っていき、互いに心を閉ざしてしまうようになってしまいます。
互いに信頼できなければ、夫婦仲が円満になることもありません。まずは、自分から相手を信頼し、困ったことや悩みを相談してみましょう。それがきっかけで、互いに本音で話し合えるようになるかもしれません。
自分たち夫婦の関係や事情に合う方法がわからない場合は、リコ活カウンセラーと一緒に自分たち夫婦に効果的な対処法を考えませんか。まずはお気軽にオンラインでご相談ください。
■夫婦仲が改善するきっかけは?
夫婦仲を改善するには、きっかけも必要です。どのようなきっかけをつくれば、夫婦仲を改善できるのか。効果が期待できるきっかけを紹介します。
▽手紙を書く
夫婦で話し合いをしようと思っても、なかなか面と向かって本音を言えないこともあります。仲がぎくしゃくして、しばらくほとんど口を利いていなかったときなどはそうでしょう。そんなときは、手紙を書いてみるといいでしょう。手紙なら、自分の考えを素直に伝えられるかもしれません。
自分の気持ちを文章にまとめてみると、自分の考えが整理され、冷静に物事を考えられるようになります。相手も落ち着いて読むことができるので、自分の気持もよく理解してもらえるかもしれません。
▽プレゼントをする
誰でもプレゼントをもらうとうれしいものです。プレゼントを夫婦仲を改善するきっかけにしてもいいでしょう。プレゼントは、日頃の感謝や迷惑をかけたことへのお詫びなど、自分の思いを込めて贈るものです。なかなか素直に言えない気持ちを、形にして相手に渡しましょう。
もちろん、渡すときは「いつもありがとう」「迷惑をかけてごめんね」などと一言声をかけたり、メッセージカードを添えたりすると効果的です。
▽スキンシップやマッサージで相手に触れる
円満な夫婦はスキンシップを大切にしているともいわれます。若い頃のように、頻繁にスキンシップをする必要はありませんが、たまには手をつないだり、ハグしたりするのもいいでしょう。スキンシップをすると、オキシトシンというホルモンが分泌され、幸福感や信頼感、愛情が高まるとされます。
また、相手が少し疲れているようなら、肩を叩いたり、腰をもんだり、脚をさすったりとマッサージをしてもいいでしょう。人の手によるマッサージは、温もりも感じられて気持ちがいいものです。心も温まり、夫婦仲を改善するきっかけになるかもしれません。
▽一緒に出掛ける
たまには2人で出かけるのも、夫婦仲を改善するのに良い方法です。夫婦仲がうまくいかなくなったのは、2人で過ごす時間が減ってしまったのが原因かもしれません。2人で過ごす時間を作るには、デートが一番でしょう。
「忙しくて2人で出かける時間なんてない」という人もいますが、若い頃はなんとか時間を作って2人で会っていたはずです。2人の時間は「できる」ものではなく「作る」もの。2人で相談して時間を合わせるところから始めてみましょう。
こんなことで夫婦仲を改善できるのだろうか...と心配になっている方は、リコ活のカウンセラーに今の気持ちを相談してみませんか。
リコ活のカウンセリングなら、夫婦関係における問題点を明確にして一緒に夫婦仲が改善するきっかけを考えることができます。
■夫婦仲がどうしても改善しない場合の対処法
いろいろ取り組んでみたけれど、どうしても夫婦仲を改善できないということもあるでしょう。どちらか一方が、一生懸命、仲の良さを取り戻そうとしているのに、相手があまり関心を示さないということもあります。
妻や夫だけの力だけでは、夫婦仲の改善がうまく進まないときの対処法について説明します。
▽カウンセリングを受ける
夫婦だけで話すと、どうしても感情的になってしまい、最後は喧嘩別れになってしまう夫婦がいます。話し合いのときは、落ち着いて相手の話を聞くのが大切なのですが、それまでの経緯もあり、冷静ではいられないということもあるでしょう。
そうした時は、夫婦問題に詳しいカウンセラーに相談するのも一つの方法です。2人でカウンセリングを受けてみてもいいでしょう。カウンセラーは多くの夫婦を見てきており、夫婦の気持ちも理解してくれるはずです。そのうえで、第三者の目から、専門的なアドバイスをしてくれるでしょう。
▽別居を考える
離婚は考えていないけれど、どうしても2人の距離が縮まらないというときは、一度別居してみるという方法もあります。離れて暮らしてみて、本当に2人で暮らし続けたいのか、自分を見つめ直してみましょう。距離を取ることで、相手を客観的に見られるようになり、相手の良い所を再発見できるかもしれません。
ただし、別居をするのは、夫婦修復に向けた最後の手段です。もし離れて暮らしてみて、寂しさも不便さも感じなければ、そのまま別居期間が長引いてしまう可能性もあります。そのまま、いずれ離婚してしまうこともあるでしょう。相手から離婚を求められるリスクもあります。
▽弁護士に相談する
夫婦関係が修復できず「もう、別居か離婚しかない」と悩んだら、とりあえず弁護士に相談するのも一つの手です。別居する前には、万が一、離婚話に発展したときにも不利にならないよう考えてもらえますし、代理人として夫側と話をしてもらうこともできます。離婚の話になったときも、法律に基づいて手続きを進めてくれます。
もちろん、別れたくないときは、法律的な視点から解決策を一緒に考えてくれます。ただし、弁護士にも、それぞれ専門分野があります。夫婦の問題について相談するときは、夫婦に関する法的な問題を専門的に扱っている弁護士を選んでください。
■夫婦仲を改善できなくて悩んだときは専門家に相談を
夫婦仲を改善するには、話し合いやスキンシップなどで距離を縮めることが大切です。そして、相手を理解し、信頼することから始めましょう。
夫婦仲が悪化する理由は、浮気・暴力・借金といった大きな問題だけではなく、相手への不満から些細な喧嘩が積み上がって爆発し、悪化させてしまうケースも少なくありません。
夫婦仲を改善したいと思ったときは、不仲になった理由を見極め、対処することが必要ですが、夫婦仲を取り戻そうとしても相手が関心を示さないときは、心が折れそうになることもあると思います。うまく進まないときは、一人で抱えず、専門家に相談してみましょう。
◆森澤雅代(もりさわ・まさよ)夫婦カウンセラー/課題解決型マッチングメディア「リコ活」専門家
修復・離婚・妊活・不妊・浮気・不倫など、夫婦全般のお悩みはもちろん、再婚のお悩みにも寄り添う夫婦カウンセラー。 NPO法人日本家族問題相談連盟認定上級 プロ夫婦問題・離婚カウンセラーの資格取得後、販売サービスにて、夫婦・恋愛・人間関係に関する電話・メール・チャット・対面のカウンセリングの経験をもつ。
(まいどなニュース/リコ活)