「この子は要らないの」飼育放棄の高齢の飼い主、まさかの一言 保護されたシニア犬は愛嬌たっぷり→誰からも愛される存在に

■この子は要らないの

パグのもんちゃんは、ある高齢者が飼っていた。何年もシャンプーしてもらったこともなく、耳の中は炎症を起こして真っ赤に腫れ上がり、痒みで床に耳を擦り付けながら歩いていた。化膿した耳からは強烈な臭いがしたという。

通報を受け、愛護団体NPO法人ねこけんがレスキューに行くと、飼い主は、「この子は要らないの」と言った。

「その言葉を聞いて思わず連れて帰ってきました。高齢で、緑内障を放置したせいか片方の目は牛眼になり、目を閉じることはできません。パッチリ目を開いていますが失明していました。また、マラセチアという皮膚炎のため身体中真っ黒になっていました」

レスキュー後、ねこけんに協力してくれているペットハウスというサロンでシャンプーしてもらったもんちゃん。何年シャンプーしてもらったことがないのか分からないが、スッキリした表情をした。

■運命の赤い糸

ねこけんでも投薬やシャンプーを繰り返し、治療をしながら預かりボランティアを募集したが、留守番が少ない家で、体重10kgで足腰が弱いもんちゃんを預かってくれる人はなかなか見つからなかった。

約1カ月間ファーブル家で暮らし、その後、ねこけんの番頭宅で暮らし始めたもんちゃん。昼間は番頭が同伴出勤し、夜は番頭宅でくつろいだ。

「撫でてもらうのが大好きで、声をかけると子ブタさんのような尻尾を振り振りして甘えてくれました。シニアであっても可愛さは変わらず、むしろ少しだけ手がかかる分、愛情が強まっていく気がしました」

ようやく里親を募集できるまでになったが、保護猫ならともかく犬となるとなかなか難しかった。

「でも、 数件のお問合せをいただけました。お見合いを経て運命の人と繋がることができました。パグが大好きで、過去には犬のボランティア活動をしていた人です」

老犬で目が見えなくて足腰が弱っていても、運命の赤い糸はちゃんと繋がっている。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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