腹を空かせた野犬が外猫を襲う 和歌山で繰り返される悲しみ 複数の保護犬猫団体が連携して解決を模索
和歌山県内では長年にわたり多数の野犬が存在し、最近では市街地での野良猫を襲う問題が深刻化しています。2023年の暮れには和歌山城付近で2匹の野猫が野犬に襲われ、命を落としました。
地元では「子猫が咥えられていた」「犬の鳴き声が聞こえて見に行くと子猫がくわえられていた」「数匹の野犬の群れが去った後、猫が死んでいた」などといった目撃情報が相次いでいます。
この事態を受け、関西エリアの複数の保護犬猫団体が結束し、野犬・外猫の命を救う取り組みが進められています。これらの団体は一丸となって問題解決に向けた活動を行っています。
■500万円を超える支援が集まったケースも
多くの野犬は人馴れしていない一方、運動神経が優れているため捕獲は容易ではありません。サッカーのゴールのような大掛かりな捕獲トラップを設置し、多くの野犬を「飼い犬」へとつなげることを目指しています。
また、外猫に対する攻撃を減らすためには、外猫の頭数を増やさないことが最優先です。そのために不妊手術(TNR: Trap-Neuter-Return)や保護活動も行われています。
これらの活動には多額の費用がかかりますが、多くの支援が一般から寄せられています。今年春にはクラウドファンディングで500万円以上が集まりました。支援は地元だけでなく、全国各地からも寄せられています。
■「不幸な野犬」「不幸な外猫」を1匹でも減らすこと
和歌山県の行政や保健所も「野犬捕獲」に協力するようになり、地域の問題解決に向けた動きが加速しています。城下町にゃんこの会のスタッフは語ります。
「和歌山県内での問題を受け、複数の団体が『野犬の捕獲』『外猫のTNR・保護』に取り組んでいます。目指すところは同じです。『不幸な野犬』『不幸な外猫』を1匹でも減らすため、団体の垣根を越えて協力し合いながら活動を続けています」
この問題と取り組みが広がり、さらに多くの議論が進むことを願うばかりです。
(まいどなニュース特約・松田 義人)