洗濯用洗剤、計量せず詰め替えパウチから注ぐ人がいるって本当!? メーカー「目分量はNG、原液こぼすと洗濯機が傷むことも」
「洗剤を計量せずに詰め替えパウチから直接洗濯機に注ぐひとが結構いるって本当ですか?」ーーこんな投稿がSNS上で話題になっています。
投稿したのは、洗剤・せっけんメーカーの「第一石鹸」(本社、群馬県邑楽郡板倉町)。液体洗濯用洗剤の本体を購入しない人は、キャップ付きの詰め替え用パウチを本体代わりにしたり、計量せずに目分量で入れたりするというのです。同社担当者は「本体裏面に書いてある使用量が最適な量。たくさん洗剤を入れてもその分汚れがよく落ちるということはないです」と注意喚起します。同社に話を聞きました。
■多くても少なくてもデメリットが
詰め替え用パウチから直接注ぐと、次のような懸念があるといいます。
「洗剤を大きな詰替パウチから注ぐことで、バランスを崩したり、注ぎ過ぎることでこぼしてしまったりする可能性が考えられます。こぼれた洗剤が洗濯機に付着し、拭き取らず放置してしまうと、洗濯機のプラスチック部分が傷むことがあります」(同社担当者)
原液をこぼした際の注意点はどのメーカーの商品にも書かれており、同社でも「なるべく早く水で拭き取るなどの処置をするよう記載しております」。
また、洗剤の量は多すぎても少なすぎてもよくないといいます。それぞれのデメリットを教えてもらいました。
洗剤が多すぎると、(1)蛍光増白剤や漂白成分が入っている洗剤の場合、衣類を傷めてしまうことがある(2)洗剤が洗濯槽に残りやすくなり、洗濯槽のカビが繁殖しやすくなる(3)洗剤の量に比例して洗浄効果が高まるわけではないので、多く入れた分の洗剤が無駄となる(4)泡立ちがいい洗剤の場合、泡切れが悪くなり、すすぎにも時間がかかり、水や電気代が増す(5)ドラム式の場合、故障の原因になる可能性がある。
一方、洗剤が少なすぎると、(1)洗浄力が弱まり、汚れ落ちが悪くなる(2)一度落とした汚れが衣類に再び付着してしまい、一緒に洗った衣類全体に汚れが広がってしまうことがある。
「弊社の洗剤の使用量は各製品、最も洗浄パフォーマンスがよい使用濃度に設定しております。表示されている使用量を守って洗濯していただくことで衣類のみだけでなく、洗濯槽の清潔も保ちやすくなります」(同社担当者)
■「パウチのまま」「計量しない」それぞれの言い分は?
複数のメーカーの商品を確認すると、詰め替え用パウチの裏面には「必ず本体容器につめかえて使用してください」「ボトルにつめかえてください」などとあり、使用量についても「つめかえたあとはボトルに記載の使用量の目安をご覧になりご使用ください」と明記されています。
洗濯用洗剤の詰め替えパウチをめぐっては、ネット上でさまざまな声がありました。
パウチのまま使う理由の主なものは、「パウチの方がお得だから」「本体が売ってない」「売り場にパウチしかなかったから」「ボトルに詰め替えが面倒なので」など。
また、計量しない理由については、「多めに入れないと汚れが落ちない気が」「メーカーの目安量だと汚れが落ちない気がして」「長年の勘で入れてる」「うちの母もそうです」「柔軟剤も」など。
◇
【第一石鹸】1953年創業。液体衣料用洗剤、柔軟仕上げ剤、台所用洗剤、各種トイレタリー類などを展開。2016年に片手で使える「ノヴァージュ超濃縮衣料用液体洗剤プッシュ式」を発売。簡単に計量できると評判が広がり、大手ECサイトAmazonで大容量サイズの詰替用パウチをテスト販売したところ完売。本生産が決定し、今年の年内をめどに全国発売の予定。
(まいどなニュース・金井 かおる)