電気代が高過ぎるから「ガマンできるときはエアコンを消す」約半数 正しいエアコン選びをプロが解説

政府の補助金が8月に再開される予定ではあるものの、6月、7月の使用分は電気料金が値上がりする見通しとなっています。パナソニック株式会社(東京都港区)が実施した「2024年 今夏のエアコン利用とエアコンの満足度」に関する調査によると、約半数の人が「ガマンできるときは消す」と回答し、電気代高騰による“エアコン控え”が懸念されることが分かりました。

調査は、エアコンを所有している全国の20~60代の男女を対象として、2024年5月にインターネットで実施されました。

まず、昨今の「夏の変化」について、気象予報士/防災士の増田雅昭さんに聞いたところ、夏の平均気温は長期的に上昇傾向にあり、「100年あたりおよそ2℃程度上昇」していることが分かりました。

さらに、最高気温が35℃以上となる「猛暑日の年間日数」については、かつて東京では0日という年も多かったものの1990年代以降で顕著に増えているほか、熱帯夜の年間日数も増加しており、夏が「長く・暑く」なっているといいます。

このように、2024年の夏も厳しい暑さが予想されることから、「屋内での熱中症対策」を教えてもらったところ、「体を暑さに慣れさせる」「こまめに水分補給、汗をかいたときは塩分補給」「しっかり睡眠を取る」「室内の温度と湿度を意識する」「室内の風通しを良くし、がまんせずエアコンを使用」「夜に気温が下がらないときは、エアコンを切らずに使用」などが挙げられました。

増田雅昭さんは、「全国における熱中症による救急搬送人員の累計は 9万1467人と調査開始以降2番目に多くなり、特に北海道と東北は前年比約2倍、8月は北海道と秋田県で前年比約10倍と著しい増加を記録しました。発生場所の内訳は住居が最多の39.9%となっており、室内での熱中症対策としてエアコンは必須と言えるでしょう」と述べています。

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そこで、エアコンを所有している20~60代の男女552人に対して「夏の屋内での暑さ対策」を複数回答可で尋ねたところ、「エアコンを使う」(76.3%)が最多となりました。

さらに、夏の期間に「つけっぱなし運転」をしている人の割合をみると、21年の18.7%から23年では21.0%と増加傾向にあることが判明。また、睡眠中のエアコンの使用についても同様に増加傾向にあることが分かりました。

続けて、夏の屋内での暑さ対策において、「エアコンを使う」と答えた421人に「現在使用しているエアコンの満足度」を聞いたところ、16.9%が「不満」と回答。

その理由としては、「省エネ性能が低い」「冷房の効きが悪い」(いずれも42.3%)などが上位を占めました。

次に、エアコンを所有している20~60代の男女555人に対して、「エアコン冷房の利用状況」について尋ねたところ、「ガマンできるときは消す」(47.3%)が最多となったほか、「在宅時のみつけっぱなし」(31.7%)、「不在時も含め常につけっぱなし」(10.6%)という結果になりました。

また、「エアコン冷房を控える理由」については、圧倒的に「電気代がかかるから」(77.8%)が多く、電気代が家計を直撃している現状や、エアコン不満の「省エネ性能」が反映される形となりました。

その一方で、同社は「エアコンの電気代については、間違ったエアコン選びが家庭の電気代を高くしている可能性もある」と指摘。

そこで、正しいエアコン選びのために知っておきたいこととして、「エアコンが部屋の空気を冷やす仕組みの認知度」について調査をしたところ、「仕組みを知っている」は48.5%、「仕組みを知らない」が51.5%と、回答が二分する形になりました。

なお、「エアコンが部屋の空気を冷やす仕組み」と「畳数の目安」の見方について同社は以下のように解説しています。

「エアコンは室内機と室外機がパイプで繋がっていて、その間を冷媒というガスに乗せて屋内から屋外へ熱を運ぶことで部屋の空気から熱の量を減らし、冷やしています」

「また、エアコンのカタログでは、冷房であればこの熱を奪う能力、暖房であれば供給する能力をkWで示しており、それをわかりやすく“畳数の目安”として表現しています」

「エアコンの“畳数の目安”が“6~9畳”となっている場合は、“6畳から9畳までの部屋”というわけではなく、“木造平屋南向き和室の6畳、もしくは鉄筋マンション南向き中間層洋室の9畳”を意味しています」

「これは、建築物の構造によって気密性が異なるため。木造住宅は鉄筋住宅よりも気密性が低い分、冷暖房効率も下がるため、同じサイズでも適用畳数が変わります。さらに、同じ鉄筋マンションでも1階と最上階では暑さ・寒さが異なるもの。このほか、断熱性や窓の向き・大きさ、天井高など部屋の状況によっても変わります」

「そのため、お部屋に見合わない小さな能力のエアコンを購入した場合、頑張って冷やそうとエアコンがずっとフルパワーで働き続けることになるので、逆に電気代がかかってしまうということになります」

「内閣府による『消費動向調査(2024年3月実施)』によれば、二人以上の世帯のエアコンの平均買い替え年数は14.1年です。14年も省エネ性や冷暖房能力に不満をもって後悔しないためにも、節電のためにも最初のエアコン選びはとても大切です」

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【出典】

▽パナソニック「エオリア」調べ

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