疲れた表情で咳が止まらない シニアのポメラニアンは肺水腫だった 服薬を頑張る姿をみんなが応援 相棒と一緒に穏やかな毎日
とある事情から保護団体・アイドッグ・レスキュー隊に保護されることになったポメラニアンのメス犬・楓(かえで)。保護当初の毛並みはボロボロで、疲れた表情を浮かべていました。そして、たびたび咳をします。
スタッフは「命に関わる持病があるのかもしれない」と感じ、保護したその足で動物病院へと連れて行きました。詳しく診断してもらった結果、楓は肺水腫を始めとした複数の重篤な病気を患っていることがわかりました。肺水腫は命に関わる重篤な病気のため、そのまま入院することになりました。
楓はすでにシニア犬であり、その小さな体に手術を実施するのは過酷だと判断されました。獣医師たちはできる限りの処置を施し、投薬で様子を見ることに決めました。
楓はきれいにトリミングされ、預かりボランティアの家での生活が始まりました。
■「たぬき顔」の楓と「きつね顔」の夕月
楓は多くの人々の愛情を受け、保護当初の疲れた表情から、まん丸の瞳でニコニコ笑顔に変わりました。愛くるしい「たぬき顔」で、預かりボランティアにもすぐに懐きました。
この家には楓とほぼ同じ時期に夕月というメスのポメラニアンも受け入れられていました。夕月は「きつね顔」で、楓の相棒となりました。
たぬき顔の楓ときつね顔の夕月は性格は違えどすぐに仲良しに。いつも体を寄せ合って寝るようになりました。おもちゃで遊んだり、一緒に日向ぼっこをしたりする様子はとても微笑ましいものでした。
■楓の食欲旺盛ぶり
楓はシニア犬にも関わらずご飯をいっぱい食べてくれます。ご飯の時間が近づくと、預かりボランティアの後ろをついて回り、「早くちょうだい!」と甘えます。そして夕月と並んでバクバクと食事を楽しみます。その後も二匹は仲良くお昼寝。スヤスヤと眠る姿は、世話する人の心を癒してくれました。
保護から約7カ月、楓の体調は完全には改善しませんでしたが、それでも日々苦い薬をがんばって飲み続け、辛いときでもとびきりの笑顔を見せてくれます。里親会などに参加すれば、他のワンコ・関係者の間でも人気者で、その可愛らしさと頑張りぶりにみんなを笑顔にしてくれます。
■幸せな余生を願って
大好きな相棒・夕月と一緒に今日も仲良く笑顔で過ごす楓。きっと心の中では、さらなる「穏やかな余生」を送れることを望んでいることでしょう。こんなにかわいらしく、がんばり屋さんの楓の未来が、さらに幸せで安心して過ごせるものになることを心から願っています。
(まいどなニュース特約・松田 義人)