車のボンネットの中にウルウル目の子猫!2日間、隙間に挟まり脱水症状→救出して保護、今だに家族が見つからない現実も
飼い主の高野裕二さんは、2022年6月20日に子猫の桃太郎との運命的な出会いを果たしました。桃太郎君は、保護当時約2カ月齢のオスの子猫でした。
保護のきっかけは、知人の保護ボランティアのご主人が勤める会社の駐車場で、子猫の鳴き声が聞こえたことでした。鳴き声がする場所を調べると、営業所長の車(トヨタプリウス)のボンネットの中に黒い子猫がいることが判明しました。
営業所長は、前日の朝から車の周囲で子猫の声がしていたものの姿が見えなかったため、そのまま運転して出社していたのです。翌日も同じ車で出社し、やはり近くで子猫の声がすることに気付き、従業員である知人ボランティアのご主人を通して高野さんに連絡が入りました。
■助け出しの挑戦
ボンネットの中を詳しく調べると、ラジエーターとグリルのスキマに子猫が挟まっていました。なんとその子猫は、2日間も車の中で過ごし、営業所長の自宅と会社を往復していたのです。すぐにレスキューに取り掛かりましたが、プリウスのボンネットの中はエンジンやモーターの部品でぎっしり詰まっていて手が入りません。
「そこで営業所長がJAFを呼んでくれ、車体下部の部品を一部取り外して手が入るスキマを作ってもらいました。そこから手を突っ込み、無事に子猫を手掴みで保護することに成功しました」
■桃太郎の新しい生活
体重約1kgのウルウル目の黒い子猫はおとなしい性格。高野さんはすぐに持ち帰り、医療にかけました。
「脱水気味でしたが元気で、各種の検査でも異常はなく、お腹にコクシジウムがいたものの駆虫薬で治療しました。桃太郎はすぐに家にも馴染んでくれました」
名前の由来は「桃から生まれた桃太郎」にちなんで、「プリウスからプリっと生まれた桃太郎」という遊び心から高野さんが決めました。その後、桃太郎君は幾度も譲渡会に参加しましたが、なぜかお声がかからず現在に至っています。
「桃太郎はとても良い性格なのですが、顔に愛想がないためか損をしているようです。しかし、慣れると実はとても甘えん坊で、ピッタリと横にくっついてゴロンと寝るのが好きな恥ずかしがり屋です」
桃太郎君は現在も高野さんの家で元気に過ごしています。新しい家族を見つけるため、これからも譲渡会に参加し続けますが、高野さんにとって桃太郎はすでにかけがえのない存在です。顔に愛想がなくても、その愛らしい性格と甘えん坊な一面で、必ず素敵な家族に巡り会えることでしょう。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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