サッカーボールをリフティングしていたのは…?尋常じゃない才能に「CGじゃないの?」「いつから五輪に採用されますか?」
6月中旬に23万もの「いいね」がついた「怖いか?私のベーグルの才能が」の投稿を受けて、凄技や謎行動に「怖いか?私の〇〇が」とコメントをつけて投稿するネットミームが誕生しました。
これに触発されて「怖いか?私のリフティングの才能が」の動画を投稿したのは、「ヤン坊マー坊」でお馴染みの「ヤンマー建機 【公式】(@YanmarCE_Japan)」です。
動画は、空高く上がった赤いボールから始まります。そのボールを器用にリフティングするのは、ショベルカー! さらに大小のショベルカーがボールをパスし合うという、すごいけどどこに使うのかちょっとわからない謎技術の投稿に12万を超える「いいね」がつきました。
「CGじゃないの?」
「いつから五輪に採用されますか?☺️」
「こわ笑 体の一部やんw」
「オペレーターさん凄い 操作は身体で覚えていることが実感できる動画ですね」
「うますぎる」
「これもうニュータイプじゃない」
「普通に怖いてwwwwwwwwwwwwwwww」
投稿された動画について「それが現実の現場でどのくらい役に立つのかがわからない」というみなさんの疑問に、「役には立ちません…」と答えていたヤンマー建機のX担当者さんにお話を聞きました。
──リフティングは、やはり熟練の運転者のみができる技なのですか?
最近では建設機械もICT化が進んでおり、経験が浅いオペレーターさんでも正確な作業ができるようになってきました。そのため、操作だけでいうと1日乗っていただければ意外と思い通りに動かせるようにはなります。
このリフティングをしている社員は開発部のベテラン社員で、もちろん彼の技量もあるのですが、この機械の操作性や応答性の良さはこだわりの設計ポイントですので、そこにも着目していただければと思います!
──やはりベテランさんが運転されているのですね。
実際の工事現場でのプロのオペレーターさんは、工期内に設計図通りに掘削・盛り土・整地作業をこなされますので、その域に達するには多くの経験やセンスが必要だと思います。
──ベーグルの投稿を見てわざわざ撮影されたのですか?
リフティング動画自体は以前、別の企画で制作したプロモーションビデオの一部なので、今回のために撮影したものではありません。ちなみにリフティングは、撮影日当日まで特に練習はしていません。
──自由に動かせるということを伝えるために、プロモーションにリフティングを入れるというのも面白いアイデアですね。こちらのショベルカーは、どんな場所で使うのですか?
この機械は、ショベルカーの愛称でおなじみの油圧ショベルという機械です。油圧ショベルはその名の通り油圧を利用して大きな力を生み出すことで、掘削、積み込み、整地、吊り作業を一台でこなすことができます。リフティングをしている機種は「ViO30」という商品でヤンマー建機のフラグシップモデルで、小回りが利きますので、住宅基礎工事など狭い現場でよく使用されています。
──投稿がとても話題になりました。
この投稿をきっかけに、ヤンマーのミニショベルを多くの人に知ってもらえて嬉しく思います。また、私自身この会社に入社するまで建設機械に関する知識が全くなかったので、Xの運用ではかつての自分のように建設機械を知らない方にも、興味をもってもらえるような投稿を意識してます。そのため、今回投稿に対し幅広い方々から反響をいただけて嬉しかったです。
■ヤンマー建機
1968年にYNB300ミニショベルを発売して以来、半世紀以上にわたりミニショベルの開発を手掛ける。
リフティングしているショベルのViO(ビオ)シリーズは、1993年に初代モデルが登場し、世界で初めて実現された革新的な特徴であるゼロテイル(旋回時に後端が車幅からはみ出さない)が、業界に大きな衝撃を与えた。ViOは現在も進化しており、2024年5月にViO30-7の新モデルを発売。また、2023年に発売したViO80-7モデルはグッドデザイン賞も受賞している。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)