冷たい檻で震えていたね ミックス犬の幸せ探し 優しさのリレーととびきりの笑顔でめぐり会えた新しい家族
2024年初め、群馬県動物愛護センターの冷たい檻の中で、推定8歳のメスの小型ミックス犬が震えながら過ごしていました。そのワンコの名はぽんかん。
収容された経緯は不明ですが、ここに来るまで明らかに満足なお世話を受けていなかった様子で、その毛はボサボサで絡み合い、顔を覆い隠していました。漫画のようなクリクリの目は見えず、表情を確認するのも難しい状態でした。
センターに収容された直後、「かわいそうだ」とその毛を整えてくれたのがトリミングボランティアさんでした。さっぱりしたぽんかんは、少しばかり震えが収まり、「常に笑っている」かのような口元をはっきり見せるようになりました。
本来のぽんかんは美人さんで、感情表現も豊かなワンコであることがわかりました。
「こんなかわいい子に、金属の檻は似合わないよ!」と保護団体・Delacroix Dog Ranch(以下、DDランチ)が引き出し、ぽんかんは第二の犬生を目指すことになりました。
■「ここが私の定位置♡」と膝の上にチョコン
DDランチ提携の預かりボランティアさんの家で過ごすことになったぽんかんは、さらに安堵した表情を浮かべ、初日から超絶な甘えん坊ぶりを発揮。預かりボランティアさんの膝の上にチョコンと座り、「ここが私の定位置なの♡」と当たり前のような表情を浮かべます。もしかしたら、元いた環境では当初からこう愛されていたのかもしれません。
さらに、ぽんかんはトイレや散歩などもきちんと理解しており、十分にお利口さんぶりを見せてくれました。しかし、センターに来た頃がなぜあんなにボロボロの状態だったのかは謎のままです。「こんなにかわいくお利口さんなら、すぐに『ずっとのお家』が見つかるよ」と、里親募集が告知されました。
■唯一の難点は「他のワンコが超苦手」
人間との生活には申し分のないぽんかんですが、一つだけ難点があります。それは「他のワンコが超苦手」ということ。散歩中に他のワンコを見ただけでも「ワンワンワン!」と威嚇してしまいます。預かりボランティアさんはその度に散歩コースを変更せざるを得ませんでした。
里親募集の条件には「できれば多頭飼いではなく、ぽんかん1匹だけの家に譲りたい」と記載されました。
すると、ほどなくしてこの条件にピッタリ合致する里親希望者さんから「迎え入れたい」という声が上がりました。
■いつまでもその笑顔のままで
里親希望者さんとの最初の対面でも、これ以上ないニコニコの笑顔を浮かべたぽんかん。一定期間のトライアルを経て、正式にこの家が「ずっとのお家」になり、見事第二の犬生を歩んでいくことになりました。
長い時間満足な世話を受けてこなかったぽんかんですが、現在はこの優しい里親さんの膝の上にチョコンと座り、安心した笑顔を浮かべながらのんびりと過ごしているとのこと。
心ある人たちの連携によって繋がったぽんかんの幸せな犬生、いつまでもその笑顔が続きますように。
(まいどなニュース特約・松田 義人)