30代独身男性、お弁当作りを始めて1年…ビフォーアフターが話題 職場のパソコンの前で一人さびしく→SNSで大注目に

 「今日の私のお昼です。が、いつものごとく、職場のパソコンの前で誰にも見られず消えちゃいます(笑)」ーーこんな独白とともに、手作りしたお弁当の写真を公開し、注目を集める人がいます。Xのアカウント名「こんでんえいねんしざいほう」さん(@hiroju5555)。公務員として働く、秋田県出身の30代独身男性です。

■始めた頃は卵焼き作りに30分以上も

 ある日のメニューは、鱈のフライinチーズ、エビチリ、ほうれん草の卵焼き、焼き茄子の甘味噌和え、大根の煮付け、人参とごぼうのすり身焼き、ほうれん草のおひたし、メロン、パイナップル、さくらんぼ、梨とパイナップルのオランジーナ寒天。使い捨ての弁当容器2つにびっしりと詰まっています。

 男性がお弁当作りを始めたのは2023年4月から。転職がきっかけでした。

 「転職で実家のある秋田から県外に出まして、田舎のため近くに外食するところがなく、また経済面や健康面から自分で作らないといけない状況で、自炊を始めました」

 はじめは卵焼きを焼くのも一苦労だったようです。

 「最初は卵焼きに30分以上かかり、肉は生焼けの状態でした。しかし失敗ととらえないで、とにかく試行回数を増やして、少しずつお弁当の腕を磨きました」

 最近では買ってきた魚をさばいて、焼き魚にしたり、フライにしたり。

 「今はスーパーなどでおいしそうな食材を買って、冷蔵庫を開いてから何を作るか考えて。それでなんとかなるぐらいには成長しましたかね(笑)」

 作る上で心がけていることは。

 「田舎のおばあちゃんが作るようなお弁当が理想ですね。高野豆腐や大根の煮付け、寒天にもチャレンジしました。食べて落ち着くお弁当を心がけています」

 料理の上達には実家の母親の存在もありました。母親は料理上手な上、几帳面な性格。ほとんどの料理のレシピを手書きで記録しており、男性はレシピのコピーを譲り受け、「まねしながら、少しずつ近づいていった」といいます。

 「(母親には)たまにLINEで作っているよ~と連絡します。写真を見て『豪華だね』と言ってもらいますが、手際のよさや味付け含め、まだまだ母の足元にもおよびません(笑)。今度帰省する際には、手料理振る舞いたいですね」

 ちなみに弁当箱にプラ容器を使う理由は。

 「秋田県出身なので、普段は曲げわっぱなのですが、洗い物を少なくしたいのと、おかずの量がついつい増え過ぎてこんなことに(笑)」

■職場のパソコン前でさびしく→SNSで大注目のお弁当に

 弁当作りは唯一の楽しみになったという男性。しかし、誰かに見てもらうこともなく、職場のパソコンの前で黙々と食べることが「さびしすぎて」。そこで自身のSNSにお弁当写真を投稿してみると、フォロワー数は徐々に増加。現在のフォロワー数は1.7万人を超えるまでに。

 「正直、えっ!?という感じです(笑)。私としては、キャラ弁とかでもないですし、一般的な独身の男性が作る、あまり映えない弁当だと思っているので」

 今後の目標は。

 「特にないです(笑)。普通の社会人なので、今後も気が向いたら地味~にやっていきます。結局、お弁当は『自分を楽しませる』が最大の目標なので、自分のペースでやっていきます」

     ◇

 自分自身のためだけにスタートしたお弁当作り。今では写真を公開するたびに、SNSユーザーからは「こんなお弁当ならお昼休みが楽しそう」「本当においしそう」「毎日続けてすばらしい」「盛り付けきれい」「フルーツもたっぷり」「料理本出しましょうよ」などの声が寄せられ、中には更新を楽しみにしているファンも。男性のお弁当はこれからも注目されそうです。

(まいどなニュース・金井 かおる)

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