女性の8割強「管理職に就きたくない」…理由の2位は「責任を増やしたくない」

2024年6月、厚生労働省は企業に対し、管理職に占める女性比率の公表を義務化する方針を示しましたが、管理職に就く意向を持つ女性はどのくらいいるのでしょうか。ラグザス株式会社(大阪市北区)が実施した「女性の管理職に関する実態調査(2024)」によると、女性の8割強が「管理職に就きたいと思わない」と考えていることが分かりました。また、管理職に就きたいと思わない理由については、「管理職に興味がない」が最多となったそうです。

調査は、全国の20~50代の女性3000人を対象として、2024年6月~7月の期間にインターネットで実施されました。

調査の結果、全体の85.7%が「管理職に就きたいとは思わない」と回答。管理職を希望しない割合を年代別にみると、「50代」が89.1%で最も多くなり、「30代」が81.1%で最も少なくなりました。

「管理職に就きたいとは思わない」と答えた2572人にその理由を複数回答可で聞いたところ、「管理職に興味がない」(36.2%)が最多となったほか、「責任を増やしたくない」(35.4%)、「精神的なプレッシャーを負いたくない」(34.8%)といった回答が挙げられました。

その一方で、「管理職は男性のイメージがある」と答えた人は5.4%にとどまったことから、多くの女性は役職において男女の差があるとは考えておらず、責任やプレッシャーなど性別差以外の要因から管理職を志望しないことがうかがえました。

では、管理職になる場合に求めることはどのようなものがあるのでしょうか。

この質問に自由回答で答えてもらったところ、「身体的に負担のない環境、相談ができる環境」「給与の大幅アップ」「責任をすべて負わなくていいようにしてほしい」「プライベートを犠牲にしないはたらき方」「残業をできるだけしなくてもいい環境の確保」「子どもの都合で休んでも気を遣わないこと」といった意見が集まりました。

そこで、「環境が整えば管理職になりたいと思いますか」と尋ねたところ、76.2%が「管理職になりたいとは思わない」と回答しており、多くの女性は環境が整っていても管理職に就きたくないと考えていることが明らかとなりました。

   ◇  ◇

調査を実施した同社は、「女性の管理職比率を向上させるには、管理職を従来のようなマネジメントだけに特化したポジションではなく、『本人の望む自己成長』に繋がる役割を託すことが管理職への意向を上げるかもしれません」と分析。

そのうえで、「ネックとなっているポイントを解消するための制度や企業風土へと変革し、それらを浸透させていくことが女性の管理職比率改善に向けた第一歩だと言えるでしょう」とも述べています。

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