新幹線の自由席が満席!→空いている指定席に一時的に座るのはOK?「予約した人が来るまで…いいでしょ?」 JRに聞いた

新幹線に乗るとき自由席券を買ったけれど、思いのほか混んでいて、空いている席が見当たらない。ところが指定席は、ポツポツ空きがある。その席を予約していた客が乗ってきたら譲るつもりで、空いている指定席に一時的に座ることは、果たして許されるのか。

■自由席券は着席を保証しない

JR西日本に聞いたところ、やはり「自由席車両をご利用いただきますようお願いいたします」とのこと。またJR九州も「自由席特急券で空席の指定席に乗車することはできません」とのことだった。

SNSで時折みかけるのが「同じ料金を払っているのに、座れる人と座れない人がいるのは不公平ではないか」という疑問。これに対しては、JR東海が分かりやすく回答してくれた。

「自由席特急券は、座席の確保をせず、お客様が着座できる保証をしていないことを条件に発売するものです。すなわち、空席があればお座りいただけるものです。座席を指定しないので、指定席特急料金より座席指定料金の相当額を減額し、安価な価格設定をしています。発売にあたり『座席の確保をしない』以外の条件は設けていないため、立ってご乗車いただいても座ってご乗車いただいても同じ価格です」

これは上越新幹線や北陸新幹線も含め、自由席が設定されている新幹線および在来線特急にも共通の制度なのだそうだ。

「お客様のご旅行のニーズに合わせて、使い分けていただきますようお願いいたします」

当然ながらJR九州もJR西日本もこれと同じ考え方で、自由席特急券は、あくまで特急列車の速達性に対する料金であるため、座席を保証するものではないとのことだった。

■席が空いていれば所定の料金を支払って指定席へ変更できる場合も

自由席で乗車したけれど、やっぱり指定席を取りたい。そのようなときは乗務員に申し出れば、対応できる場合があるという。

「乗車後に自由席特急券を指定席特急券へ変更を申し出られた場合、車内で運輸上支障がない範囲で対応いたしますので車掌にご相談ください」

各社おおむね共通した回答だが、必ず変更できるわけではないともいう。

「着駅まで同一の座席が空いていることが確認できた場合に限り、指定席特急券に変更をする場合がございます」(JR九州)

当たり前のことだが、どんな場合でも、切符は正しく買わねばならないということだ。

少し余談になるが、SNSに時折投稿されるトラブルの事例がある。それは、自分が指定席券をもっている立場で、自分が座るはずの指定席に他人が座っていて、注意してもどいてくれない場合だ。

席を間違えているのではなく、あきらかに悪意で居座わられて席を横取りされそうになっている状況だと、当人どうしで揉めていると喧嘩に発展する恐れがある。

そのような場合は、各社とも「乗務員かパーサーにお申し付けください。当該のお客様へお声がけをさせていただくか、空席があればほかの席を手配させていただきます」とのこと。

喧嘩になると、せっかく楽しいはずの旅が台無しになってしまう。居座られて腹は立つだろうけど、乗務員に任せるのがいちばん心穏やかに解決できそうだ。

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)

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