季節限定の「富士山」…四季で空の色が変わる とらやの羊羹、買えるのは1店舗のみ

 季節にあわせた意匠や味わいが特徴の和菓子には、多くの期間限定商品が存在します。ところが、知らなければいつの間にか販売が終了していたなんてことも。あとから「食べてみたかった!」とならないように、和菓子マニアの「ふれんちぶる(@FCVPf07VuvKlVdb)」さんに、「今買える&これから買える和菓子」を毎月教えてもらいます。

 京都在住のふれんちぶるさんは「3食の食事が、和菓子なのではないだろうか?」と疑ってしまうほど、日々、和菓子を食べている様子。和菓子マニアになった理由を聞くと「京都で生まれ、京都で育った私は和菓子が身近にある環境で暮らし続けています。遥か昔から続く正統派の技術で、日本文化を表現する素晴らしさに心惹かれました」と話します。

 そんなふれんちぶるさんが7月に推すのは、夏らしい涼しげな意匠が特徴の羊羹「四季の富士 夏」(中形2160円)です。カットするとブルーの透明な琥珀羹のなかに、グリーンの煉り羊羹の富士山が立ち上がって涼しげ!

 こちらのお菓子は、室町時代後期に京都に創業した老舗和菓子店「とらや」の御殿場店(静岡県御殿場市)限定商品です。販売期間は6月上旬から8月下旬ですから、夏の贈り物にもピッタリですね。

 「四季の富士」という名前の通り、春夏秋冬の富士の山容を羊羹で表現しているため、季節ごとに異なる羊羹が販売されています。そのなかでも「夏」だけは琥珀羹が使われているので、透明ブルーの青空がキレイで心躍ります。

「昭和53年(1978年)に、虎屋の主力工場である御殿場工場が完成しました。京都、東京に加えて虎屋ゆかりの地となった御殿場ならではの商品として、社内公募にて提案され、昭和63年(1988年)1月に『四季の富士』が誕生しました」と虎屋の広報さん。

 工場が完成して生まれた羊羹ですが、「四季の富士」は機械ではなく、職人さんが手作業で1本1本、枠に流し込んでつくっています。

 期間限定商品の魅力について、「和菓子は、日本の四季の移ろいを映しています。季節限定商品は、季節ごとの情緒豊かな意匠とともに、素材や製法ごとの味わい、食感の違いなど、召し上がって頂きながら季節を感じて頂けます」と広報さんは話しています。

 ◇ ◇

 「四季の富士 夏」に合う飲み物についてふれんちぶるさんに聞くと、「冷抹茶が一番おすすめですが、フローズン日本酒の上に和菓子を並べて冷たく味わうのも涼しげです」と、斬新ないただき方を教えてくれました。大人のデザートとして試してみたいですね。

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【とらや「四季の富士」】

御殿場店限定商品。商品に関するお問い合わせは御殿場店へお願いします。

・春 [空:道明寺製(紅)、山:煉製(白・緑)]

販売期間:3月上旬~5月下旬

暖かな春の陽気につつまれた富士山や裾野の緑を表しています。

・夏 [空:琥珀製(青)、山:煉製(緑)]

販売期間:6月上旬~8月下旬

美しく広がる青空を琥珀羹で表しています。

・秋 [煉製(空:橙・山:黒)]

販売期間:9月上旬~11月下旬

茜色と黒の煉羊羹で、夕焼けを背にした雄大な富士山を表しています。

・冬 [空:道明寺製(白)、山:煉製(白・紅)]

販売期間:12月上旬~2月下旬

白の道明寺羹で雪を、紅と白の煉羊羹で雪に覆われた富士山が夕焼けに染まるさまを表しています。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)

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