飼い主が死去 行き場と笑顔を失ったシニア犬 「最期を迎える日まで寄り添います」運命の人が現れた
ペットを飼う場合、後見人のいない高齢者は断られるケースが多いです。飼い主が亡くなった場合、ペットが行き場を失ってしまうから。保護団体の元には、こういったケースのワンコが持ち込まれることが少なくありません。
2024年春、犬保護団体restartdog LIEN(以下、リアン)に引き取り依頼があったダックス×プードルのミックス犬・リラも、飼い主が死去。身内に引き取り手がなく行き場を失ったワンコでした。
■不安そうな表情から一変、笑顔で尻尾フリフリに
リラは10歳ほど。10年近くそばにいてくれた飼い主と離れ離れとなった心情を計り知ることはできませんが、保護時は明らかに不安そうな表情でした。
リアンのメンバーや動物病院の看護師さんが優しく声をかけると「悪い人じゃないんですね」とリラックス。尻尾をフリフリするようになりました。預かりボランティアさんの家で過ごすようになってからは、他のワンコたちとの触れ合いもあり、笑顔を見せる時間が増えてきました。
ひとりぼっちで不安を抱えていた頃と比べれば、ずっと安心して過ごせる環境でしょう。穏やかに過ごすリラの様子を見るだけで「本当に良かった」とうれしい気持ちになります。
■「先代ワンコを思い、なかなか迎えられずにいた」
穏やかな性格に加えて「笑った顔が、かまやつひろしさんに似ている」と一躍人気者に。しかし、リラは10歳を過ぎたハイシニアです。どうしても若いワンコから譲渡先が決まりがちで、預かりボランティアさんは「しばらく時間がかかるだろう」と思っていました。
そんなことを考えていた矢先に「リラを迎え入れたい」という申し出がありました。
その人は数年前からリアンの活動に注目。先代ワンコを看取った後、「次の子」をなかなか迎えられずにいたすです。そんな中でリラの境遇や性格を知り、「うちに迎え入れるべきワンコはこの子だ」と運命的なものを感じたそうでした。
■「運命」を感じたのかすぐに家族に笑顔を見せた
「もちろんリラが最期の日を迎えるまで、必ず寄り添い続けます」とも言ってくれ、リラはこの優しい里親さんのもとに行くことになりました。
正式譲渡の前にトライアルでこの家を訪れたときからリラもまた「運命」を感じたのでしょうか。部屋中をうれしそうに駆け回り、とびきりの笑顔でおもちゃで遊んでいました。
ぴったりの飼い主さんと出会えて本当に良かった。リラちゃん、いつまでも明るく元気に過ごしてね!
(まいどなニュース特約・松田 義人)