24歳会社員「投資に怖いイメージが…NISAは利用するべきですか」 早期投資のメリット、FPが解説

2024年に新しくなった非課税制度のNISAは、TVや雑誌でも多く取り上げられていることから、関心を持つ人が多く集まっています。都内会社員で事務をしているAさん(24歳)もその1人ですが、 利用するべきか迷っていました。

NISAを利用するか迷う理由は「投資に怖いイメージがある」、「旧NISAと現在の 新NISAの違いがよくわからない」の2点です。そこでNISAへの不安点を解消するため、ファイナンシャルプランナーで元銀行員の渡辺智さんに相談をすることにしました。

ーそもそも新NISAってどんな制度なのですか?

2024年から始まった新NISAは、投資による資産形成を促進するための制度です。旧NISAと新NISAでは「年間投資枠」「非課税保有期間」「非課税保有限度額」それぞれが異なります。

年間投資枠については、旧NISAでは、つみたてNISAは40万円で一般NISAは120万円でしたが、新NISAでは、総額360万円(つみたて投資枠は120万円、成長投資枠は240万円)と増額されました。

非課税保有期間については、旧NISAでは期間が限られていたところ、新NISAでは無期限になっています。

非課税保有限度額については、旧NISAでは、つみたてNISAは800万円で、一般NISAは600万円でしたが、新NISAでは総額1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)と増額されました。

ーでは、新NISAをやった方がいいといえるメリットは何ですか?

この制度の主なメリットは、約20%の税金が免除されることと、非課税期間が恒久化されることです。旧NISAの非課税期間は恒久ではなく、期間に制限がありました。

これにより、長期的な資産形成が可能となり、老後資金だけでなく、様々なライフイベントに備えることができます。

また、Aさんのような若い人が早くからはじめる方がおすすめです。なぜならNISAの最大のメリットは、複利効果により資産形成が加速することだからです。

若いうちから始めることで、複利効果により資産形成が加速します。例えば、毎月2万円を年利3%で30年間運用すると、約1166万円の資産が形成されます。

一方、毎月2万円を現在の普通預金の金利である年利0.02%で30年間運用した場合は、約723万円にしかなりません。

老後2000万円問題に代表されるように、公的年金だけでは豊かな老後生活を送ることができにくい昨今では、いち早くNISAを始めることも視野にいれてみるといいでしょう。

またNISAのもう1つのメリットとしては、設定さえすれば後は自動的に口座から引き落とされるため、忙しい新社会人にもぴったりです。

ー新NISAと貯蓄性の保険ではどちらがおすすめですか?

現段階の金利水準で考えると、新NISAでの運用がおすすめです。確かに投資であるNISAでは、元本割れのリスクがあります。しかし長期で運用できれば、大きく元本を上昇させる可能性も秘めているのです。

Aさんのような新社会人の場合、仕事や人脈作り、緊急資金の確保など、他の優先事項もあるでしょう。そのため、自身の状況を考慮して新NISAを始めるかどうかを判断することが大切です。メリットとデメリットを十分に理解した上で、自分に適した資産形成の方法を選択しましょう。

◆渡辺智(わたなべ・さとし)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士 メガバンクに11年間勤務。現在は金融ライターとして活躍中。メガバンク在職時には最優秀営業賞を2回受賞。富裕層を対象にするプライベートバンカーなどを歴任。「難しい金融をわかりやすく伝える」ことをモットーに活動中。

(まいどなニュース特約・八幡 康二)

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