「こんな小さい子、この高さまで上がれないよ?」ベランダで謎の出会いから17年、愛と絆を育んだ猫・ラムちゃん
2007年8月27日の夕方、北海道在住のAさんの家のベランダで突然、子猫の鳴き声が響き渡りました。「え?猫?」と驚きながらベランダに出ると、そこには生後数週間の小さな子猫がいました。Aさんは「こんな小さい子、この高さまで上れないよ?どした?誰か置いて行った?」と困惑しましたが、先住猫2匹がいることもあり、その子猫を一旦庭に置くことにしました。
その夜、庭でずっとミーミー鳴き続ける子猫に心を痛めながらも、Aさんは翌朝出勤しました。帰宅すると、先に帰っていた父から「外に子猫いたから段ボールハウスに入れてごはんあげたから~」と告げられました。家族会議の結果、その子猫を飼うことに決定。元気良くごはんを食べる子猫は、家族の一員として迎え入れられました。
■もしかして大物?
小さな子猫は物怖じせずにベッドや毛布の上でへそ天で寝るなど、初日から大物感を漂わせていました。その堂々とした態度から、Aさんはあるアニメのキャラクターにちなんで「ラムちゃん」と名付けました。自分の意思がハッキリした女の子であるラムちゃん。瞬く間にAさんの家族にとって特別な存在となりました。
ラムちゃんは特にAさんの父が大好きで、歴代の猫の中でも断トツ。べったりくっついています。顔や腕を舐める姿は微笑ましく、家族全員がラムちゃんに癒されています。ラムちゃんはおやつが大好きで、豊満なボディがチャームポイントです。よく床に落ちている姿も可愛らしく、家族の笑いを誘っているそうです。
■17年間、愛と絆を育んで
ラムちゃんがAさんの家に来た当初、先住猫の8匹目のお兄にゃんと9匹目のお姉にゃんがいました。お兄にゃんはラムちゃんの面倒をよく見てくれ、お姉にゃんは戸惑いつつも仲良く過ごしていました。しかし、2010年12月にお姉にゃんが、2011年11月にはお兄にゃんが亡くなり、しばらくはラムちゃん1匹でのんびりと過ごしていました。
2014年5月、テンちゃんとくぅちゃんが家族に加わり、再び賑やかな3匹暮らしが始まりました。ラムちゃんは、たまに家中をダッシュするなど、まだまだ元気なシニア猫です。毎日のんびりマイペースに過ごしながら、家族に癒しと笑顔を届けています。
ラムちゃんとの出会いは、偶然のようで必然だったのかもしれません。17年間もの間、愛と絆を育んできました。これからも、ラムちゃんとAさん一家の幸せを願わずにはいられません。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)