「肩こりで業務に支障が出ている時間が長い職種」ランキング 3位「保育士」、2位「教師」

肩こりによって業務に支障が出ている時間が長いのはどの職種なのでしょうか。パナソニック株式会社(東京都港区)が実施した「肩こり」に関する調査によると、「美容師・理容師」が1位となり、平均「174.8分」であることが分かりました。では、肩こり対策にかける年間費用が最も多いのはどの職種だったのでしょうか。

調査は、全国の20~60代の働く男女1000人を対象として、2024年6月にインターネットで実施されました。

なお、対象職種は教師、介護士、美容師・理容師、銀行員、警察官、消防士、システムエンジニア、アパレル店員、飲食店、保育士、事務、看護師、自動車整備士、警備員、農業従事者、スーパー・コンビニ店員、研究員、工場作業員、医師、トラックドライバーの全20職種(各職種50人)となっています。

調査の結果、全体の57.7%が「肩こりがつらくて業務に支障が出たことがある」(かなりある10.5%、たまにある47.2%)と回答しました。

「肩こりがつらくて業務に支障が出たことがある」と答えた割合を職種別にみると、1位「介護士」(70%)、同率2位「教師」「看護師」「農業従事者」(いずれも66%)、5位「工場作業員」(64%)という結果になりました。

肩こりになる要因としては、「利用者を抱えたり重いものを持つなど力作業が多い」(介護士)、「酪農で毎日2回搾乳のために指を使い、腕を肘より上にあげて作業をするため」(農業従事者)、「同じ体勢で品出し、ハンガー通し、服を畳む作業を続け、行動範囲が狭く動けないため」(アパレル店員)など、それぞれの職種ならではの理由が挙げられています。

また、「肩こりがつらくて業務に支障が出たことがある」と答えた577人に「業務に影響が出ている時間」を教えてもらったところ、全20職種を合わせた平均は「(1日の業務時間中)116.2分」と、1日約2時間にも及ぶことが明らかになりました。

これを職種別にみると、1位は「美容師・理容師」(平均174.8分)で、全職種の平均を大幅に超えていました。次いで、2位「教師」(平均170.4分)、3位「保育士」(平均155.5分)と続き、9位の「アパレル店員」(平均116.5分)までの職種はいずれも全職種の平均以上となっています。

業務に影響が出ることについて回答者からは、「カットやシャンプーなど腕を上げた状態で動かし続けているから」(美容師・理容師)、「黒板で板書をする時間が長いから」(教師)、「子どもたちをおんぶや抱っこすることが多いから」(保育士)という理由が多く寄せられました。

次に、「肩こりがつらいときに行うこと」を複数回答可で聞いたところ、「ストレッチをする」(68.8%)、「自分で揉む」(49.3%)、「お風呂に入る」(46.9%)などが上位に並び、肩こりに対しセルフケアで対応している人が多いことがわかりました。

ちなみに、「肩こり対策(湿布やマッサージに行くなど)にかける年間費用」が最も多い職種は「医師」で、平均額は2万5280円。次いで2位「看護師」(2万2340円)、3位「銀行員」(2万2274円)、4位「教師」(2万210円)、5位「美容師・理容師」(1万9460円)が続き、全20職種を合わせた平均額は「1万5824円」でした。

美容師・理容師、飲食店、介護士、看護師など「立ち(動く)仕事」が多い職種と、銀行員、システムエンジニア、事務、研究員など「座り仕事」が多い職種それぞれの人に「勤務開始前~勤務終了後に肩こりを感じる時間帯」を聞いたところ、いずれの職種も「休憩後~業務終了前」(立ち(動く)仕事41.8%、座り仕事53.1%)が最多となり、業務終了までのラストスパートをかける時間帯に、肩こりでツラい思いをしている人が多いことがうかがえました。

また、全体の56.3%が「季節や気温によって肩こりの感じ方が変わる」(かなり変わる14.1%、多少変わる42.2%)と回答。その一方で、「あまり変わらない」と回答した人は37.7%となり、季節や気温を問わず肩こりを感じている人も4割近くに上ることが明らかになりました。

そこで、「夏場に肩こりを感じることはありますか」と尋ねたところ、80.3%の人が「感じる」(かなり感じる22.3%、たまに感じる58.0%)と回答。

その原因としては、「冷房のついたオフィスで長時間作業」(40.1%)や「室内と外の寒暖差」(35.2%)などが上位を占め、夏場の冷房によるものと感じている人が多いことがうかがえる結果となりました。

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