■突然現れた黒猫

2013年の夏、北海道在住のAさんの家の玄関前に、まるで自宅かのようにくつろぐ1匹の黒猫が現れました。この黒猫は次第に信頼を寄せるようになり、チビ猫2匹を連れてくるように。その親子3匹は毎日ひなたぼっこを楽しみ、Aさんの家の前でコロンコロ～ンと過ごす日々が続きました。

やがて冬になり、その黒猫親子の姿を見かけなくなりました。不安に思っていた12月中旬、ガリガリに痩せたママ黒猫がヨロヨロと現れました。まるで「子供達を頼むにゃ…」と言っているかのように。その夜、ママ猫は静かに息を引き取りました。

その後1～2カ月が過ぎ、近所の小屋であのチビ猫達の存在が確認されました。Aさんはママ猫の思いを受け取り、そのチビ猫達を別の小屋で保護することに。少しずつ慣れてきた頃、2匹のうち1匹が妊娠していることが判明し、やがて2014年4月、テンくんとくぅちゃん、そしてもう1匹の子猫が無事に生まれました。

■新しい家族として迎え入れ

2014年5月末、テンくんとくぅちゃんはAさんの家族として迎え入れられました。初めての家での生活は、2匹にとって大冒険でした。家の中を探検し、先住猫のラムちゃんに近づいては怒られ、スゴスゴと退散する様子は微笑ましいものでした。

テンくんは、ラムちゃんの弟分としてアニメのキャラクターから名付けられました。一方、くぅちゃんは、真っ黒な姿がクマのようだったことから名付けられました。テンくんはブラッシングやお父さんのお腹マッサージ、ネズミさんのオモチャが大好き。一方、くぅちゃんは紐で遊ぶことが大好きで、お気に入りの紐を振るとどこからともなく飛んできます。大好物のホタテやお布団も大好きで、お布団を敷くとすぐに駆け寄って寝る姿が愛らしいそうです。

■新しい家族としての暮らし

先住猫のラムちゃんは、突然やってきたチビっ子2匹に最初は戸惑い、しばらくシャーシャーと威嚇していましたが、やがてテンくんとは仲良く寝るようになりました。一方、くぅちゃんは数年間ラムちゃんに怒られていましたが、今では同じポーズで近くで寝るほどに仲良くなりました。3匹で仲良くごはんを待ったり、追いかけっこをしたり、時にはケンカして怒られることもありますが、その様子を見ていると家族みんなが笑顔になるといいます。

偶然の出会いから始まったテンくんとくぅちゃんの物語。Aさんの家族にとって、2匹はかけがえのない存在です。テンくんとくぅちゃん、そしてラムちゃんがこれからも幸せな日々を過ごせるといいですね！

（まいどなニュース特約・渡辺 陽）