「おうちに入れて」玄関先で待ち続けるガリガリの猫 渋っていた父は数日後、「実は昨日からごはんあげてた」と告白した

■玄関先で鳴き叫ぶ猫

2021年11月のある日、北海道在住のAさんの家の玄関先に、ギャーギャーと鳴き叫ぶ1匹の猫が突然現れました。リオちゃん(3歳・メス)との出会いはその時から始まりました。当時生後7カ月くらい。ガリガリに痩せて、右半身の毛が皮膚炎で脱毛しているというボロボロの状態でした。「ごはんちょーだい!!おうちにゃいの!!たすけて!!」と必死に鳴き叫ぶリオちゃんの姿は、心に深く刻まれました。

Aさんの家は、8匹目から保護猫を迎える家庭でしたが、これ以上猫を飼うことは難しい状況でした。Aさんの父も「もう面倒みないぞ」と言っていました。しかし、毎朝玄関先で待ち続けるリオちゃんの姿を見るたびに、Aさんは心を痛めました。リオちゃんは非常に人懐っこく、玄関を開けると中に入ってきてナデナデを求めるほどでした。

数日間悩んだ末、Aさんと父は話し合いをしました。「毎日あれなら近所迷惑だよね」「小屋に入れるか?」という会話の後、父が「実は昨日からごはんあげてた」と告白しました。これが決め手となり、リオちゃんを小屋に保護することを決意したそうです。

■初めてのお家、やっとつかんだ幸せ

保護されたリオちゃんは、ヒーター入りの段ボールハウスに入ると、ビックリするほどたくさんごはんを食べ、リラックスした様子を見せました。1週間経った頃には少しふっくらし、毛艶も良くなり、Aさん一家もひと安心。その後、避妊手術を済ませ、皮膚炎もだいぶ改善されました。

2022年3月、リオちゃんは小屋から自宅にお引越ししました。キャットタワーに暖房完備のリオ専用のお部屋が用意され、探検した後は走り回り、気に入った爪とぎの上でコロンコロンする姿は幸せそのものでした。名前の由来は、「ギャアオー!!アオー!!」と泣き叫ぶ声から「アオ」にしようとしましたが、性別がわからなかったため「リオ」に決まりました。

リオちゃんはブラッシングとナデナデが大好きで、紐やじゃらしにも飛びついて遊びます。とにかく人が大好きで、いつもAさんにベッタリとくっついているリオちゃん。先住猫達とは何度か対面しましたが、なかなか受け入れてもらえず、リオちゃんは個室でひとり住まいを続けています。しかし、そのおかげでAさんは久々に甘えん坊のリオちゃんと過ごす癒やしの時間が増えました。

「リオが安心して寝ている姿や楽しそうに遊んでいる姿を見て、保護して本当に良かったと感じています。リオとの出会いは偶然ではなく、運命だったのかもしれません。これからもリオが幸せに過ごせるように、愛情を持って見守り続けます」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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