半年以上散歩に行かせてもらえなかった犬、保護されて幸せな生活送る インスタの里親募集がきっかけ
■外に繋がれたままの犬
埼玉県に住むMさん一家は、2024年5月26日に新たな家族を迎えることを決意しました。その新しい家族とは、10歳のオス犬、テツくんです。出会いはInstagramでのボランティアによる里親募集の投稿でした。テツくんと兄弟犬のタローは、元飼い主が病気のため半年以上も散歩に行けず、庭に繋がれたまま過ごしていました。近所の犬猫ボランティアの方が声を掛け、里親募集に繋がったのです。
テツくんを迎える1カ月前に、Mさん一家は中型雑種犬のタラオくんを17歳半で見送りました。タラオくんが去った後、家は静まり返り、Mさんは寂しさを感じていました。中型雑種犬の飼いやすさや、タラオの介護経験を生かせると考え、シニア犬であるテツくんを迎えることに決めたそうです。荒れた庭で懸命に生きるテツとタローの姿を見て、Mさんは声を上げずにはいられませんでした。
■テツくんを迎えて家庭に笑顔が戻った
24年6月2日、Mさん一家はテツくんを迎えに水戸まで車を走らせました。完全外飼いだったテツくんが室内でどれだけ暴れるかと心配していましたが、驚くことにテツくんは行儀よく、まるで借りてきた猫のように静かでした。こうしてテツくんの新たな生活が始まりました。
テツくんは明るく優しい性格で、初めは臆病な様子も見せていましたが、すぐに慣れてお腹を出すようになりました。動物病院の待合室でもお腹を出して寝転んでしまうほどリラックスしている姿が微笑ましいテツくん。元飼い主さんが名付けた「テツ」という名前もそのままに、新しい暮らしをスタートさせました。
テツくんを迎えてから、Mさん一家の生活は大きく変わりました。先代犬タラオくんを見送ってから散歩の機会がなくなり、朝起きるのも難しくなっていたMさん。しかし、テツくんの存在が再び生活に張り合いをもたらし、早寝早起きを心がけるようになりました。夫婦間の会話もテツくんを中心に明るくなり、家庭に笑顔が戻ったそうです。
テツくんが安心して過ごし、幸せな生活を送る姿を見るたびに、Mさんは心から喜びを感じています。同時にテツくんがMさん一家に与えた影響は計り知れず、その存在は家族全員の心を温め続けています。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)