結婚11年目…夫から突然「別れてほしい」と言われ動揺 その時、妻が取るべき行動は?【夫婦問題研究家・岡野あつこさんがアドバイス】
結婚11年目にして突然夫から離婚を切り出され、動揺している妻から相談がありました。「自分たち夫婦の関係は、そこまで冷え切っていないと思っていたのですが…」と語る妻に、これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんがアドバイスします。
■結婚11年目、突然の離婚宣言に困惑…
【相談】
職場で知り合った2歳年上の夫とは、私が29歳の時に結婚。小学生の娘がひとりいます。卒業後に就職した企業は出産のために一度退職し、娘が保育園に上がるのを待って復職。現在、私は40歳。家事と育児、仕事をなんとかこなす毎日です。
ところが結婚11年目を迎えた先日、夫から突然「別れてほしい」と切り出されて呆然としています。何を言っていいのか言葉もないまま、やっとのことで理由をたずねたところ、「申し訳ないけれど、もうやっていかれそうにない。これからは、自分の人生を自由に生きたいと思っている。娘のことは養育費をしっかり払っていくつもりだから心配しないでほしい」と。私はとりあえず、「今はちょっと混乱しているので、しばらく考える時間がほしい」とだけ返事をしました。
今にして思えば、半年前くらいから夫の帰宅時間が遅くなることが増えていました。以前は週の半分は家族で夕食をとっていたのに、今は週末のみ。それでも私は「コロナ騒動が少し落ち着いてきたこともあり、急に仕事が忙しくなった」という夫の言葉を疑いもしませんでした。
というのも、夫から離婚をつきつけられるまで、私は自分たち夫婦のことをそこまで冷え切った関係ではないと思っていたからです。たしかに子どもが生まれてからセックスレスではあったものの、「結婚して10年以上たてば、どこの夫婦もそんなものだろう」とあまり気にしてはいませんでした。
それどころか、まわりのママ友たちから夫のグチを聞かされるたび、「ウチの旦那は男性としての魅力には欠けるかもしれないけれど、夫としてはいい線いっているんじゃないかな」とすら感じていたほど。だからこそ、突然の離婚宣言に驚くやら、悲しいやら、腹立たしいやら……今はどうしていいかわからない状態です。
■夫から切り出された一方的な離婚宣言に振り回されないで
【岡野さんの回答】
じつは、私の相談所には、ここで紹介したようなケースと似た相談がよく持ち込まれます。夫から突然「別れたい」と切り出され、その理由が納得できなかったり、ぼんやりしていたりするのは、ほぼ100%、妻には言いたくない「本当の理由」が隠れています。
離婚したい事情が生じたものの、それを正直に打ち明けると妻に離婚を拒否されたり、自分が不利になったりする状況が想像できるようなことが夫の身に起こっている、と思っていいでしょう。
多くの場合は、夫に「妻以外の好きな人ができた」というシチュエーションです。
その場合、むやみに夫を問い詰めたり、騒ぎ立てたりするよりも「先にすべきこと」がいくつかあります。そうすることで、気持ちが落ち着き、これからのことを冷静に考えられるようになります。
たとえば、次の順番にしたがって、自分に本音と向き合って考えてみることも効果的な方法のひとつ。夫からの「別れたい」という言葉に惑わされずに対処するための心の準備ともいえます。
▽Step1 「家族にとって夫は必要か?」を考える
まずは、自分たち親子にとって、今の夫が必要かどうかを判断します。経済的なこと、子どもの将来、夫への愛情、世間体やプライドなど、あらゆる面で総合的に考えた場合、まだ少しでも必要だと感じるようなら離婚は思いとどまったほうがいいでしょう。
▽Step2 「事実を知りたいかどうか」を考える
夫の身のまわりで何が起こっているのかを知ってから対処したいか、それとも事実を知らないままで関係修復に向けて努力をしたいのか、を考えます。起こっている事態や夫の真意がわかれば、そのうえで適切な対処ができます。一方で、あえて事実を知らないことで、気持ちをかき乱されず、本来のあなたの魅力や長所を先にアピールしつつ、夫に家族や夫婦の大切さを思い起こしてもらう方法もあります。
▽夫婦の合意がなければ離婚は成立しない
離婚は、お互いの合意のもとにはじめて成立するものです。夫から切り出された一方的な離婚宣言に振り回されないようにしましょう。
今、夫の離婚することが「必要か、必要じゃないか」「損か、得か」「幸せになれるか、幸せになれそうにないか」をじっくり考えたうえで、あなたと子どもの気持ちを優先させることをおすすめします。
いずれにしても、これまでの結婚生活に悔いが残らないような判断ができるよう、時間をかけて自分自身が納得できる答えを探しましょう。
◆岡野あつこ(おかの・あつこ) 離婚カウンセラー・夫婦問題研究家/課題解決型マッチングメディア「リコ活」アドバイザー
「離婚しないに越したことはない! 」をモットーに、3万8000件以上の結婚、離婚、再婚相談を受け、数多くの夫婦問題を解決に導く。カウンセラー育成にも力を注ぎ、「マリッジカウンセラー、夫婦問題カウンセラー養成講座」を開講している。
(まいどなニュース/リコ活)