「浮気を繰り返す彼」とこのまま結婚するべきか…きっと結婚しても後悔、しなくても後悔【看護師・僧侶の玉置妙憂さんがアドバイス】

浮気を繰り返す彼との結婚に悩む20代女性からの相談がありました。看護師・僧侶・スピリチュアルケア師・ケアマネ-ジャー・看護教員として多くの方の心に寄り添ってきた玉置妙憂(たまおき みょうゆう)さんがこたえます。

■浮気を繰り返す彼との結婚に後悔するかも

【相談】

学生時代からの付き合いの彼とは現在交際6年目で遠距離恋愛中です。彼の浮気を理由に破局と復縁を二度繰り返しましたが、先日、彼が「やはりずっと一緒にいたいのは〇〇(私)しかいない」とプロポーズをしてくれました。

明るく太陽のような存在の彼からプロポーズされたことを嬉しく思っていたのですが、プロポーズ後に彼が三度目の浮気をしていたことがわかりました。しかも前回の浮気から間を空けず、一年以上にわたって関係があったようです。

二度の浮気を許したのは、彼のことが嫌いになれなかったから。今回のことで、さすがに人格と倫理観を疑っていますが、愛されキャラというか、どうしても憎めない性格の彼で、結局は許してしまいそうになる自分が嫌です。

彼は「遠距離で寂しかったから。結婚して側にいたらもう浮気する理由はない」と言っていますが、私は転勤で全国を飛び回る彼に付いて行くことで自分のキャリアを諦める覚悟ができていないので、子どもができるまでは単身赴任生活もやむを得ないと思っています。

年齢的なこともあり、結婚するなら彼しかいないと思っていましたが、このまま結婚しても同じことの繰り返しになるのではないかと不安です。結婚して後悔するか、彼と結婚しないで後悔するか…。未来のことはわかりませんが、どちらを選べばよいか悩んでいます。

(20代・女性)

■「覚悟」の上の選択であれば「浮気をされた被害者」にはならない

【玉置さんの回答】

はじめまして。玉置妙憂と申します。

さて、どんな人にも先のことなんてわかりはしないのですが、でも、過去のデータから「予測」することはできます。「この空の暗さなら、あと1時間くらいで雨が降りそう」とか、「これ以上食べたら、胃もたれしそう」とか。あなたも常々「予測」しているでしょう?

さて、そういう能力のあるあなたが、「彼が結婚した後も浮気をするかどうか…」と考えた時、どのような予測が立ちますか?

まずは、そのあなたの「予測」をお聞かせいただきたいわ。言っておきますけれど、私がお尋ねしているのは、「結婚したらきっと落ち着いてくれるはず」というようなあなたの「希望的推測」ではなく、過去のデータから考える「予測」ですからね。そこのところ間違っちゃいけませんよ。

さあ、どうでしょう。もちろん、どんな予測をお立てになってもいいのですよ。もとより、正解、不正解はありませんから。所詮、「予測」はあくまでも「予測」で、当たるも八卦、当たらぬも八卦。結局はやって見なけりゃ、わからないんですからね。

じゃ、なんで考えさせたんだ?というとね、「覚悟」を持っていただくためなんです。たとえば、「結婚したらきっと浮気はしないだろう」と予測を立て、それで結婚なさったとしますね。それは、自分の予測を信じて、自分で行動を決めたってことです。つまり、自分で決めた行動の結果は、自分で責任をとるということなんですよ。自分のお尻は自分で拭くってことね。その「覚悟」ができているかどうか、なんです。

「覚悟」の上の選択であれば、もし、彼がまた浮気をしたとしても、あなたは「浮気をされた被害者」にはなりません。なれないのです。だって、浮気をした彼が悪いわけではなく、あなたが「予測」を外しただけですから。

でもね、それが、大事なんですよ。人間「被害者」になってしまうと、次に前を向くまでにえらい時間がかかってしまいますからね。何事につけても、「ケツは自分で持つ」っていう「覚悟」が必要なのです。

本来、私はこの件についてあれこれ予測する立場じゃありませんけれど、せっかくご相談くださったから、ちょっと言わせていただきましょうね。

まず、おふたりの星はたぶんそういう間柄。お互いにものすごく惹かれ合うけど、一緒にいると傷つけ合ってしまうの。破局と復縁を繰り返しているあたりに、それが出ているわね。これは性格や状況の問題ではなく、生まれ落ちた宿の問題だから、繰り返してしまうかもしれません。

それにね、彼の言う浮気の理由がいただけない。「遠距離で寂しかったから」って。こういうこと言う人は、たとえ一緒にいるようになったとしても「僕のことを分かってくれなくて寂しかったから」、子どもができたら「子どもばっかりかまって寂しかったから」って言うんですよ。「〇〇で寂しかった」みたいな、〇〇をなんにでも置き換えられるような理由を言う人は、あなた、要注意だわよ。

いろいろ言ってしまいましたけれど、最終的にどうするかは自分で、自分の心にしっかり問うて、お決めになってくださいね。3日間くらい山に籠ってとことん考えるといいんですよ。

年齢がどうとか、キャリアがどうとか、そういう些末なことに引っ張られずに、しっかり自分の心の奥底を見て考えなきゃいけませんよ。

「浮気をする彼」という人間を、あなた自身が「良し」とできるかどうか。その彼と一緒に生きていくことで、あなたの人生が豊かになるかどうか。ものすご~くシンプルなことですからね。しっかり考えて、覚悟をもって決断してください。

◆玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)/看護師。僧侶。二児の母。専修大学法学部卒業後、法律事務所で働く。長男が重度のアレルギーがあることがわかり、「息子専属の看護師になろう」と決意し、看護学校で学ぶ。看護師、看護教員の免許を取得。夫のがんが再発。夫は、「がんを積極的に治療しない」方針をかため、自宅での介護生活をスタートする。延命治療を望まなかったため、自宅で夫を看取るが、この際にどうしても、科学だけでは解決できない問題があることに気づく。夫の“自然死”という死にざまがあまりに美しかったことから開眼し出家。高野山にて修行をつみ高野山真言宗僧侶となる。その後、現役の看護師としてクリニックに勤めるかたわら、患者本人、家族、医療と介護に携わる方々の橋渡しとして、人の心を穏やかにするべく、スピリチュアルケアの活動を続ける。訪問スピリチュアルケアを通して、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)とQOD(クオリティ・オブ・デス)の向上に努める。非営利一般社団法人「大慈学苑」をつくり、代表を務める。課題解決型マッチングメディア「リコ活」でコラムを執筆。

(まいどなニュース/リコ活)

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