「冠水」した場所を車で走るな!←なぜ?車の故障以上の「リスク」に驚きの声…被害に遭った人の経験談も

8月に入り、全国各地でゲリラ豪雨や雷雨、大雨が頻発している。

そんななか、新潟県でラーメン屋さんを営むニューハルピン(@new_halpin)さんがX(旧Twitter)に投稿したポストに大きな注目が集まった。

■「自分勝手なことするな!」

「冠水してるなかに入って行く車の動画よく見るんだけどさ、やめた方がいいよね。だいぶ前に住んでた地域が冠水した時に、ハイラックス乗ってたから余裕だろって入ろうとしたら消防の方に止められてさ、大丈夫だよって言ったら、『お前が入って行くことによって波が起きる。その波が家屋のシャッターや扉を破壊するんだよ。自分勝手なことするな!』って叱られた。なるほど、そうだよなって思った」

冠水した場所を無理に走行すると車が故障する恐れがあるだけでなく、「誰かの命」や「暮らし」を脅かすリスクがある。このニューハルピンさんの経験談に、実際に被害に遭ったという人たちからも多くのコメントが寄せられた。

■最悪の場合…「人が流されて死ぬ」

「ウチも昔の家でやられたなあ。波と水ハネで玄関のガラス戸を破壊された」

「これ、マジでもっと認識されてほしい。車が大丈夫でも周りが大丈夫じゃないんだっつーの。車が通らなければ入り込まなかった場所まで水が行っちゃうんだよ。去年、家の横が冠水した時に車が通り続けてエアコンの室外機が流された者より」

「マジで車で突っ込んでくのやめてほしい。結構大きな波ができるの!ちょっと荒れた海の波みたいに感じるよ。距離があっても歩いてる人いたら、最悪の場合その人流されて死ぬよ。家の中でせっかく浸水免れてた部分にも結構上がってくるよ」

■甚大な被害をもたらした「7.11水害」の経験談

ニューハルピンさんに伺ったところ、今回投稿した話は、1995年に新潟県上越地方・長野県北信地方・富山県東部地域に発生した集中豪雨により、甚大な被害をもたらした「7.11水害」の経験談だという。

「自分が住んでいた地域でも、深いところでは1メートル以上の水位がありました。前夜から降り続いた雨により河川が氾濫し、翌朝から道路に水が溢れてきて、近隣の多くの住宅で床上浸水の被害が出ていました」(ニューハルピンさん)

この日、ニューハルピンさんは車で会社に出勤。会社の機械に浸水の被害が及ばないよう、「水中ポンプ」を取りに一旦帰宅し、再び車で会社に向かった。

「その時点ではまだ通れない道路はなかったのですが、そのわずか30分後、会社に戻る時には至るところで冠水していて、行きは通れた道はもう車が通れない状況でした。おそらく、膝下くらいの水量だったと思います」(ニューハルピンさん)

■「誰かの暮らし」と「命」を救った、強い口調

当時、ニューハルピンさんが乗っていたのはトヨタ・ハイラックス。車高が高いため、膝下ほどの水位なら走行できると判断。しかしその時、居合わせた地域の消防団の方から「やめろ!やめろ!」と、呼び止められたという。

「投稿した通り、『お前が入って行くことで波が起きるんだ。その波が家屋のシャッターや扉を破壊してしまう。自分勝手なことするな!』と言われました。消防団の方に言われるまでは全く頭になかった事柄でした。『そうだよな~。うん、わかりました』と従うと、『気をつけて行ってください!』と言われ、その場を離れた後、水位が下がるのを待ちました。もしこの時に止められてなかったら……自分の行動によって誰かの家屋が破壊されたり、自身の車も動かなくなったり、最悪、命を失っていたかもしれません。強い口調で止めてもらって感謝しています」(ニューハルピンさん)

今回の投稿を機に、「冠水時の車の走行は周りに大きな被害を及ぼす、ということを知ってくれる方が増えれば幸いです」と、ニューハルピンさん。

冠水時、とくにアンダーパス(鉄道や道路などの下を通過するため周囲より低くなっている道路や地下道のこと)は車両の水没などによる死亡事故も発生しており、全国の自治体なども注意喚起を行っている。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ かな)

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