ごみ置き場に1匹でぽつんといた生まれたての子猫を保護→出産直後の母猫がパクッ… 無償の愛でつながった小さな命
■突然の相談、赤ちゃん猫の世話ができない
2024年6月25日、福岡県の「クレープと猫の家」で保護された猫、くるちゃんが6匹の赤ちゃん猫を無事に出産しました。その日の夕方、もう一つの小さな命が助けを必要としていました。
くるちゃんが出産したその日の夕方、Fさん親子が「クレープと猫の家」に相談に訪れました。Fさんのご主人が勤務先のゴミ置き場で、ポツンと1匹でいる赤ちゃん猫を見つけ、ダンボールに入れて一時保護していました。Fさんはミルクの与え方や赤ちゃん猫の世話について相談しに来たのです。
「主人がゴミ置き場で見つけた赤ちゃん猫を保護したんですが、ミルクの与え方がわからなくて…。昨年からミルクボランティアをしているNさんに相談しようと思いました」
Nさんは昨年夏以降、ミルクボランティアとして何匹もの赤ちゃん猫を育てた経験がありました。しかし、まずは赤ちゃん猫の健康状態を心配し、動物病院に電話して予約を取り、Fさんにすぐに受診するように勧めました。
その後、Fさんからミルクの与え方についての電話相談がありました。Nさんが直接Fさんの携帯に電話して話を聞くと、Fさんのご家族は皆、昼間は仕事で家を留守にするため、2~3時間おきの授乳が難しいことが分かったそうです。Nさんは、一旦、クレープと猫の家で赤ちゃん猫を引き取ることにしました
■くるちゃん、実の子でないとあちゃんを育てる
20時半頃、Nさんは赤ちゃん猫を連れて帰宅しました。ミルクを冷ましながら、くるちゃんとその赤ちゃん猫たちがいる寝室に入り、おしっこを出させるためにティッシュでトントンしていると、連れてきた2週齢の赤ちゃん猫が鳴きました。
「その声を聞きつけたくるちゃんがベッドに飛び乗ってきたんです。さっき出産を終えたばかりだったのに。見ていたら、なんとくるちゃんが赤ちゃん猫の首を噛みました。瞬間、私は『殺される』のかと身構えましたが、くるちゃんはそのまま自分の寝床に連れて行き、おっぱいをあげ始めたのです」
くるちゃんの出産した6匹の赤ちゃん猫に加えて、2週齢の赤ちゃん猫も含めて合計7匹となりました。まだ性別はわかりませんが、「いろはにほへと」を用いて名前を考え、2週齢の赤ちゃん猫は「とあちゃん」と名付けられました。
「みんなより大きな赤ちゃんは、鳴き声をあげながらくるちゃんの体を這い回り、おっぱいを見つけて安心したように母乳を飲み始めました」
くるちゃんの母乳を飲みながらスクスク育っているとあちゃん。生後1カ月になり、男の子だとわかりました。生後2カ月頃になったら発見してくれたFさん一家が迎えてくれることになり、幸せが約束されています。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)