【国際化が決まり注目】神戸空港~大阪駅を70分で直通 乗り換え不要…リムジンバスでの“快適アクセス”を実際に体験
神戸空港からのリムジンバスは少しずつですが、便数が増えています。2023年9月には神戸空港リムジンバスとしては初めて、大阪駅に乗り入れました。2024年8月現在、神戸空港→大阪駅便は2本、大阪駅→神戸空港便は1本が運行されています。実際に乗車した上で、どのようなメリットがあるのか、確認することにしました。
■2023年秋に登場した神戸空港~大阪駅便
神戸空港~大阪駅間のリムジンバスは大阪バスが運行し、2023年9月に開設されました。2024年8月現在、神戸空港発は13時10分、16時30分、大阪駅発は14時30分です。所要時間は70分です。
神戸空港側は空港ターミナル前にあるバスのりば2番から出発します。一方、大阪駅側のバス停はJR大阪駅桜橋口の近くにあり、JR線のガード下にあります。
■乗換不要が大きなメリット
週末に神戸空港から大阪駅行きのバスに乗ってみました。筆者が乗車した便は神戸空港16時30分発の便です。参考までに、16時30分付近に神戸空港に着く航空便は花巻~神戸便(15時30分着)、茨城~神戸便(15時30分着)です。
16時20分に高速バスが乗り場に到着。料金は大人1000円、交通系ICカードも使えます。乗車にあたり、予約はいりません。16時30分に発車しましたが、乗客は筆者1人のみでした。
大阪駅前行きはポートアイランドと本土を結ぶ神戸大橋を渡ると、ハーバーハイウェイを経て阪神高速湾岸線へ進入。大阪府に入り、北港JCTと海老名JCTを結ぶ阪神高速2号淀川左岸線を通り、大阪駅バス停に着きます。
ダイヤよりも20分早い17時20分に大阪駅バス停に到着しました。大阪駅発もここから出発します。実際に乗車すると、乗換不要な点が大きなメリットのように感じました。
神戸空港~大阪間はJRとポートライナーを使うと、所要時間は55分です。神戸空港~三宮間は新交通システム「ポートライナー」になり、ポートライナーの三宮駅は高架駅です。
JR三ノ宮駅も高架駅ですが、ポートライナー乗り場へは一旦、地表に降りて、また上がるという手間を要します。大型スーツケースを持っていると、ものすごく大変ですから。
■神戸空港国際化にも注目
さて、神戸空港~大阪便の開設にはどのような狙いがあるのでしょうか。運行する大阪バスの担当者によると、「確実に席に座れる」「荷物を持っておく必要がない」という理由から、路線の開設に踏み切ったとのことです。
先述したようにJR三ノ宮駅とポートライナー三宮駅は連絡通路で直結しておらず、昇り降りをしなければなりません。また、阪急神戸線、阪神本線では座席指定車両の運行はなく、JRは一部新快速に有料座席サービス「Aシート」が連結されていますが、本数は少ないのが現状です。
話は変わりますが、神戸空港は2022年9月に国際化が決定しました。2025年から団体客向けのチャーター便、2030年をめどに定期便が就航する予定です。
当然、海外旅行は国内旅行よりも荷物は多くなりますから、乗換えに伴う苦痛は増すでしょう。神戸空港国際化が実現した暁には、リムジンバスの重要性が増すと思います。
いずれにせよ、乗り換えなし、高速バスの座席に着席できる、という利便性・快適性を考えると、ポートライナーJR経由760円からのプラス240円というリムジンバスの価値はあると思います。
(まいどなニュース特約・新田 浩之)