先代猫に伝えた“別れの言葉”が現実に!? 亡き愛猫の面影を持つ「かわいい声で甘える猫」と運命的な出会い

飼い主ラブな猫の姿は、見ていて微笑ましいもの。まぷさん(@aqua_chai)宅で暮らすアクアくんは、まさにそんなタイプだ。

毎日、「僕が一番!」とかわいく自己主張。まぷさんからは「ヤンデレ王子」と呼ばれている。

■愛した先代猫の面影を持つ子猫を里親募集サイトで発見

アクアくんは、ショッピングモールの駐車場に遺棄されていた子だ。生後1ヶ月ほどの頃、とある男性がショッピングモールの駐車場に何かを捨てている様子が気になって様子を見に行った保護主さんによって命を救われた。

幸い健康状態に問題はなく、里親を募集されることに。そんな時、出会ったのがまぷさんだった。

当時、2匹のコーギーと暮らしていたまぷさんは、子犬の頃から猫と生活していた兄犬が妹犬とあまり仲良くなれない姿を見て、「猫なら仲良くなれるかな?」と思ったそう。旦那さんが猫好きだったこともあり、猫のお迎えを検討し始めた。

そこで里親募集サイトを見ていると、心を揺さぶられる出会いが…。

「実は10年ほど前、私は超低音ボイスのイケメン白猫と暮らしていました。出会った時には10歳を超えており、目がとても綺麗な子でした」

その猫は濁点がつくような短い鳴き声が特徴的で、甘え下手。腎臓病を患い、13歳で亡くなる時、まぷさんはひとつ、お願いごとをした。

「今度はかわいい声でたくさん鳴いて、甘えたい時に甘えられる自由な子になって戻っておいで、と話したんです」

偶然か運命か、眺めていた里親募集サイトには愛した先代猫と同じ綺麗な薄いブルーの目の猫がいた。その子こそが、アクアくんだ。

どうしてもこの子を迎えたい。そう感じたまぷさんは早速、保護主さんに連絡。後日、初対面を果たす。

■私が頼んだ通りに生まれ変わってきてくれたのかも…

保護主さんから「人見知りをする」と聞いていたが、初対面時、アクアくんはたくさんお喋りしてくれ、5分ほど経つと膝でスヤスヤと眠ってくれた。

「かわいい高音で色々鳴いて伝えてくれた。もしかしたら本当に先代猫が生まれ変わってきてくれたのかもしれません」

アクアくんは、先住犬たちとも馴染んだ。猫好きの兄犬はイタズラをされても、ニコニコ。妹犬とは良きプロレス仲間になった。

「アクアは、基本的に甘えん坊。何かしてほしいと、おすわりをしながらかわいい声で鳴き、上目遣いをしてきます」

一緒に暮らす中では、“ちょっぴり鈍くさい”という微笑ましいギャップも知った。アクアくんは運動があまり得意ではなく、ジャンプに失敗することもあるそう。

「でも、それを人に見られると『僕は何もしてません』みたいな顔で、すましながら別室に移動します(笑)」

■新入り猫をお迎えしたら“ヤンデレ王子”に変化が…!

愛情をたっぷり注がれたアクアくんは、「僕を見て!」と常にアピールする“わがまま王子”に成長する。しかし、約2年前、同居猫のチャイちゃんを迎えてからは行動が少し変わった。

チャイちゃんは生後1ヶ月ほどの頃、ひとりで彷徨っていたところをまぷさんに保護された。

甘えん坊のアクアくんは嫉妬が募るかと思いきや、なんと超過保護なお兄ちゃん猫に。常に寄り添い、チャイちゃんを気遣うようになった。

チャイちゃんが高いところで困っていると、自分も高所が得意ではないのに傍へ行き、メンタルケア。避妊手術後にぐったりしていた時も、寄り添ってくれた。

「チャイは当時、耳が聞こえていなかったので、お迎え当初は私たちとのコミュニケーションが難しかったのですが、アクアが溺愛してくれたおかげでスクスク育つことができました」

ただし、大好きなチャイちゃんでもまぷさんとイチャイチャするのは許せないよう。ふたりが仲良くしていると、アクアくんはわざと視界に入り、棚のものやテーブルに置いてあるものを落とす。

「アクアは抱っこが大好きなのですが、普通の抱っこでは物足りないようで、きつくギュッとしないとご不満なようで噛んできます。がっちり抱きしめると、喉を鳴らす音が大音量になります(笑)」

生後1ヶ月ほどで遺棄された2匹の愛猫たちは、孤独とは無縁の生活を手に入れた。まぷさんは幸せそうな愛猫たちの姿を見るたび、終生飼育の大切さを再確認する。

「どうしても飼えないのなら捨てずに責任を持って、“最期の時まで大切にしてくれる人”を探してほしい。一度迎えたのなら、その責任は絶対に取ってほしいです」

巡り合うべくして出会った縁。まぷさん家族の絆には、そんな言葉がよく似合う。

(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)

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