「このメーカーも、あの工務店も…みんなダメ!」ネットの評判に翻弄 40代夫婦が“夢の注文住宅”計画を諦めた理由

注文住宅を建てよう!と決めてから、最終的に新居に住み始めるまでにはさまざまな「選択と決断」が必要ですが、中でも最も大きな決断は「どこのハウスメーカー/工務店/建築事務所に依頼して家づくりを任せるか」という点ではないでしょうか。

「大切な家づくりを任せるのに、間違いのない会社を選びたい」と思う気持ちが強すぎて、最終的に結論に踏み出せなくなってしまったご家族のお話を聞いてきました。

■はじめは普通のスタートだったのに

Aさん(関東在住、40代、主婦)一家がマイホームを検討したきっかけは、ひとり息子の幼稚園入園がきっかけでした。

幼稚園ママ友との立ち話で「あと3年で小学校に入学でしょう? 小学校以降の転校はできるだけ避けたいし、幼稚園でのお友達がいる状態で入学させてあげたいから、なんとかあと2年のうちに家を買って引っ越ししなきゃと思って」と、ママたちが熱く語るのを聞いて「確かに!」と思ったAさん。さっそく夫にマイホーム購入を提案しました。

「ローンの年数を考えても、そろそろかな」と思っていたAさんの夫(40代、会社員)も賛成し、さっそく週末は住宅展示場めぐりを始めることになりました。

■「ハウスメーカー+失敗談」で検索をかければ…

ハウスメーカーや地元工務店について情報収集をするなかで「欠陥住宅」や「施工ミス」は怖いよね、という話になったAさん夫婦。確かに、大きな金額を支払って建てた家が欠陥住宅などと言うことになっては大変です。

「ハウスメーカー名に『後悔』とか『欠陥住宅』とか『失敗』って言葉をつけて検索したら、ブログやSNSでたくさん情報が出てくる。そういうトラブルがないハウスメーカーを見つけよう!」

Aさんは夫の思い付きに、最初は賛成して情報収集を任せていました。

■後悔している家族がひと組もないなんてありえないのに

大手ハウスメーカーから地元工務店まで次々にネット情報を見ていくにつれて、夫はだんだんと「この会社もダメ!」「あの会社もダメ!」とイライラするようになってしまいました。

夫の話を聞いてみると、やりとりのなかでのコミュニケーションエラーや、天候など仕方ない事情での納期遅れ、修復可能な設備の傷など、Aさんにとっては「小さな問題では?」と思うようなことについても気にしているようでした。

結局、大手数社に土地探しの依頼も含めた見積もり依頼をしたものの、営業担当者に「御社の悪い情報をたくさん見た」「トラブルや欠陥住宅が発生したときの保証はどうなっていますか」といったことばかり聞いてしまい、結局土地の紹介もあまりないまま、担当者からの連絡はフェードアウト。

「これは、営業さんに敬遠されたな」とさすがに気付いたそうです。

■家づくりは最終的に…

結局、どこのハウスメーカーにも「ぜひお願いしたい!!」という気持ちにもなれなかったAさん夫婦。最終的に注文住宅を建てることを断念し、大手デベロッパーの開発したマンションの一室を購入することになりました。

「ネットの細かい情報に踊らされて右往左往してしまうような自分たちが、決断することが山ほどある注文住宅に憧れたこと自体が間違いだったのかもしれません。『満足』とか『安心』とか、そういうキーワードでたくさんブログを読めば、結果は違っていたかもしれませんけど」と、Aさんは話しています。

どんな商品でも「顧客満足度100%」を達成することは難しいものですが、あまりにもネットのレビューに振り回されてしまうと、何も購入できなくなってしまうかもしれませんね…。

(まいどなニュース特約・中瀬 えみ)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス