スーパーや飲食店に現れたガリガリの猫 優しさの連携で保護され元気に マイペース&可愛い寄り目で幸せをつかみとった
2024年5月、千葉県我孫子市湖北エリアのスーパーの搬入口や飲食店の前に、1匹のガリガリのオス猫が姿を現すようになりました。何日も食べ物を口にしていないのか、足元がおぼつかない様子でかなり弱っている様子です。
地元の心ある人がまず我孫子市役所に相談。市役所担当者もまたその猫のことを思いすぐに地元の保護団体、ねこ友会に相談。ねこ友会の代表は、目撃情報のあった場所に駆けつけるとともに、この地のエサやりボランティアさんにも協力を依頼し、相談翌日には保護することができました。
■幸い健康状態に大きな異常はなかった
保護に尽力した人たちは胸をなで下ろしましたが、心配なのは健康状態。すぐに動物病院に連れていき、血液検査を実施。念のため検査入院することになりましたが、後の診断結果は「痩せてはいるものの、健康面での大きな異常はなし」。入院中も栄養価の高いエサをいっぱい食べて元気に過ごし、数日後には退院することができました。
■2つの願いを込めてつけられた名前
後にこの猫につけられた名前は「ふくくん」。
「今日は食べ物にありつけるだろうか」といった不安だらけの中で彷徨っていた過去から転じ、「たくさんの福が訪れますように」という思いと、「たくさんのエサを食べてふっくらしますように」という2つの願いを込めてつけられました。
■健康を取り戻し、さらには「ずっとのお家」を掴むことができた
その願い通り、ふくくんはエサをいっぱい食べ、ふっくらとした体に。人間にもすっかり馴れ、甘える素ぶりも見せてくれるようになりました。
長い間、外猫として生き抜いてきたことからか、気持ちを強く出してしまうことがあり、ねこ友会のシェルターにいる他の猫たちから「シャー」と威嚇される場面もありました。しかし、それでもめげないのもまたふくくん。どこかマイペースで無垢な性格で、そのかわいい寄り目とも相まって、後に参加することになった譲渡会でもすぐに人気者になりました。
そして、ついには「ふくくんを迎え入れたい」という里親希望者さんが現れ、見事「ずっとのお家」を掴むことができました。
心ある人たちの優しさで救われたあと、自らの猫生を切り開いていてくれたふくくん。その名前の通り、いつまでも幸せで元気で暮らしていてね!
(まいどなニュース特約・松田 義人)