コミュニケーション能力を活かせる仕事!…営業職「ルート営業」の魅力とは?
20代の社会人経験を積んだ方のなかには、コミュニケーションスキルを磨き、営業職への転職を考える方もいるでしょう。営業職には、既存の顧客を担当するルート営業があります。
本記事ではルート営業の仕事内容や働くメリット、求められるスキルなどを解説します。また、向いている人の特徴も解説するので、事前に把握し、転職活動に備えましょう。
■ルート営業とは?
ルート営業とは、既存の顧客を対象にした営業活動です。自社の商品やサービスを販売している顧客を定期的に訪問し、販売状況の把握や新商品の提案などを行います。
新規開拓営業とは、目的とターゲットが異なります。
新規開拓営業の目的は新規取引であり、ターゲットは新規顧客です。一方、ルート営業の目的は既存顧客との取引の継続で、ターゲットは既存顧客に限定されます。
自社商品やサービスを継続的に取引してもらうには、既存顧客へのアフターフォローが不可欠です。
■ルート営業の仕事内容
ルート営業では、既存の顧客を対象にするため、飛び込み営業やテレアポなどの新規顧客獲得の活動は行いません。
ルート営業の一般的な仕事内容を紹介します。
<既存顧客のアフターフォロー>
企業と顧客の関係は、取引が成立してからが本当のスタートです。良好な関係を維持するには、既存顧客へのアフターフォローが必須となります。
このアフターフォローを担当するのが、ルート営業です。ルート営業は、顧客が導入した商品やサービスのサポートを行います。
具体的には不具合やトラブルがないかを定期的に確認し、顧客が快適に商品やサービスを利用できる環境を整えます。
契約期間が決まっている場合は、満了時に更新の案内も行います。
<自社の新商品・サービスの提案>
ルート営業は、既存顧客に自社の新商品や新サービスを提案する役割も果たします。
顧客との取引を継続させるには、新商品や新サービスの提案が欠かせません。既存商品やサービスの取り扱いが終了するケースもあるためです。
新商品や新サービスが顧客に受け入れられると、取引の継続につながります。
<顧客ニーズの把握>
顧客のニーズを把握し、課題を解決できるようにサポートするのもルート営業の役割です。
顧客のなかには、従来の商品やサービスだけでは解決できない課題を抱えているケースがあります。
ルート営業が顧客のニーズを理解し、新商品や新サービスを提案することで、課題解決に貢献できる可能性もあります。
■ルート営業のメリット
まずは、ルート営業として働くメリットを紹介します。
<売上につながりやすい>
ルート営業のメリットの一つは、営業活動が売上につながりやすいことです。
新規開拓営業では、まだ信頼関係が構築されていない相手とやり取りを行う必要があります。自社商品やサービスの魅力を伝えるには、根気よくコミュニケーションを取らなければなりません。
一方、ルート営業では既存の顧客を対象とするため、既に信頼関係が構築された状態から取引が始まります。顧客に話を聞いてもらいやすく、スムーズに営業でき、売上につながる成果を出しやすいのがメリットです。
<目標が厳しくない傾向にある>
営業職には、一定の目標を課す企業がほとんどです。目標は個人の成果だけでなく、企業の売上にも直結するため、達成できなければ給与に影響が出ることもあります。
ルート営業も営業職の一種なので、一定の目標を課されるケースも少なくありません。しかし、新規開拓の営業職に比べると、目標は厳しくない傾向にあります。
企業によっては「目標は現状維持」という方針を採用している場合もあります。
<スケジュールをたてやすい>
一日の勤務予定を立てやすく、仕事とプライベートを両立しやすいのも、ルート営業のメリットです。
ルート営業では、既存の顧客を定期的に訪問し、アフターフォローや新商品の提案などを行います。
顧客はおもに法人で「〇曜日の〇時に〇〇に訪問」といったようにスケジュールが決まっているケースがほとんどです。法人の営業時間内にスケジュールをたてるので、残業も少ない傾向にあります。
■ルート営業を行う際に知っておきたい注意点
働くメリットの多いルート営業ですが、知っておきたい注意点もあります。
<業務がマンネリ化しやすい>
ルート営業は、既存顧客の訪問やアフターフォローがメインです。新規開拓営業のように、飛び込み営業やテレアポなどで新たな顧客と出会う機会が少なく、業務がマンネリ化しやすい側面があります。
また、新商品や新サービスは頻繁に登場するわけではないので、基本的には訪問とアフターフォローがおもな業務となります。業務がルーティン化し、モチベーションの低下を招く恐れもあります。
<年収アップにつながりにくい>
営業職の年収は、成果に左右されやすい側面があります。新規開拓営業の場合、ノルマが厳しい一方で、成果を出せば給与に反映されます。それなりのインセンティブを得られることもあるでしょう。
しかし、ルート営業は、新規開拓営業に比べてノルマが低い、またはないのが一般的です。売上を増やしても、新規開拓営業のような報酬の増加にはならず、わずかな増加にとどまるため、年収アップにつながりにくいとされています。
<顧客と会社の板挟みでストレスを抱えやすい>
ルート影響が「つらい」と言われる理由の一つは、顧客と会社の板挟みになり、ストレスを抱えやすいためです。
ルート営業は顧客のニーズを理解し、自社の商品やサービスで課題を解決する役割も担います。しかし、顧客の要望と会社の要求が一致しない場合があります。
会社から新商品や新サービスの契約を促される一方で、顧客の要望に完全に応えることができないときは板挟みになり、強いストレスを感じることがあります。
■ルート営業に求められるスキル
企業が事業を安定的かつ継続的に運営していくためには、新規顧客の獲得だけでなく、顧客定着率を高めることも大切です。顧客と良好な関係を構築できなければ、顧客定着率の低下につながりかねません。
ルート営業にコミュニケーションスキルは必須ですが、このほかに求められるスキルを紹介します。
<傾聴力>
ルート営業では、既存顧客と信頼関係を構築することが重要なポイントとなります。
顧客と良好な関係を構築するためには、相手の話をよく聞き、ニーズを汲み取る傾聴力が必要です。顧客のニーズを正確に把握できれば、それに合致する商品やサービスを提案でき、売上拡大につながります。
営業では、商品やサービスの提案に向けて先走りがちですが、まずは相手の話をきちんと聞くことが大切です。
<提案力>
ルート営業の業務には、既存顧客に対する営業活動が含まれています。新規開拓営業に比べてノルマが低いまたはないものの、自社の新商品や新サービスが登場したときは、顧客への提案が必要です。
ただし、提案の仕方には注意が必要です。押し売りのような形になると、顧客が離れる可能性もあります。
まずは自社の商品やサービスの特徴を理解し、顧客に適切に提案することが重要です。その上で傾聴力を活かし、顧客のニーズを正確に把握しましょう。
顧客のニーズを把握しつつ、自社の商品やサービスでどのような課題が解決できるかを説明すれば、営業活動の成功につながります。
<顧客管理スキル>
一般的に、営業職は一人で複数の顧客を担当します。ルート営業も例外ではなく、複数の顧客を抱え、定期的に訪問する必要があります。
そのため、ルート営業には顧客管理スキルが求められます。特に繁忙期はタスクが増えるため、各顧客に対して真摯に対応できるよう、日頃から顧客管理を徹底しておくことが大切です。
■ルート営業が向いている人の特徴
これからルート営業への転職を目指す場合、どのような特徴を持つ人が向いているかを把握しておくことも大切です。ルート営業に向いている人の特徴を紹介します。
<顧客の課題やニーズを汲み取れる人>
ルート営業では既存顧客とのコミュニケーションを通じて、信頼関係を構築することが大切です。
特に大切なのは、顧客の立場に立ち、その課題に気づきを与えることです。顧客のニーズを理解し、親身に対応することで信頼を得やすくなり、良好な関係を築くことができます。
普段から相手の課題やニーズを汲み取れる人は、ルート営業として成功できる可能性が高いでしょう。
<相手の役に立ちたいと考える人>
ルート営業は、顧客に寄り添うことで信頼と契約を得る仕事です。ときには顧客の要望と会社からの要求が合致しないこともあるかもしれません。
このような状況のなかでも、顧客と会社の利益の両方を最大化するための方法を考え、バランスをとりながら営業活動を進める必要があります。
そのため、誰かの役に立ちたいと考えている人も、ルート営業に向いているといえるでしょう。
<営業初心者・未経験者>
これまで営業の経験がなく、営業への転職に不安を抱えている人がいるかもしれません。
しかし、ルート営業は既存の顧客を対象とするため、新規開拓営業に比べて営業初心者や未経験者でもチャレンジしやすい職種です。
既存の顧客は、会社との信頼関係がある程度構築できているため、飛び込み営業やテレアポのように門前払いされることはほとんどありません。新商品や新サービスを上手くアピールできれば、契約につながりやすい傾向にあります。
■求められるスキルを磨いてルート営業への転職に挑戦しよう
ルート営業は既存の顧客を定期的に訪問し、アフターフォローを行う職種です。新規開拓営業のようにノルマが厳しくなく、スケジュールも立てやすいため、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすい傾向にあります。
相手の気持ちに寄り添える、誰かの役に立ちたいと考えている人には、ルート営業がおすすめです。
(まいどなニュース・20代の働き方研究所/Re就活)