多頭飼育崩壊から救出されたまっ白ワンコ 外の世界を知らず「死んだフリ」をする怖がり 優しい家族に迎えられ苦手を克服中

高知県中部の山間部の民家で、ワンコの多頭飼育崩壊が起きていました。暖房もテレビもなく、住んでいるのはおばあちゃんおひとり。

とても静かな場所ですが、おばあちゃんが1人で何十匹ものワンコの世話は無理があります。この状況を知った人から地元の愛護団体・アニマルサポート高知家に相談が依頼があり、家にいるワンコを1匹ずつ引き出し譲渡することにしました。

2024年1月に引き出されたのがサンタという7歳ほどのワンコ。真っ白の短毛がかわいいオス犬ですが、保護当初、初めて見る人間を前に瞳はおびえていました。

■7年間「家の外」を全く知らないまま過ごしていた

このサンタは家にいる何十匹ものワンコの中でも特にビビリで、家の外に出たことがありませんでした。おばあちゃん以外の人間も、その家の外の景色も7歳になるまで全く知らぬまま。ビビってしまうのも無理はありませんが、頑固なほどに警戒心を抱いていました。

人間と目を合わさないようにし、すぐに端っこへ。人間が近寄ると、ガチガチに固まり、ときにはひっくり返って「死んだフリ」をして、人間が通り過ぎることを待つほどでした。

■先住犬がいる優しい夫婦に迎え入れられた

世話し続けた預かりボランティアさんは、サンタのペースを最優先に警戒心が解けるように接し、後には団体が開催する譲渡会に参加できるほどに成長しました。

保護から4カ月ほどが経過し、ついに「サンタを迎え入れたい」という里親希望者さんからの申し出がありました。

先住犬がいるOさんという夫婦の家です。「ワンコ仲間がいれば、サンタもすぐに馴れるだろう」と、この家で第二の犬生を踏み出すことになりました。

■たっぷりの愛情を受けながら一歩ずつ成長中

サンタはこの家に来てからも、しばらくの間はずっと顔を強張らせ、Oさんが近寄るとひっくり返って「死んだフリ」。散歩に行っても道の真ん中を歩くことを嫌がり端のほうを歩き、ときに固まってしまうこともありました。

それでも優しいOさんは慌てません。「大丈夫だよ。怖くないからね」と声をかけ、笑顔で接し、心を開いてくれることを待ちました。

すると、サンタはOさんや先住犬ともコミュニケーションを取れるように。完全に心を開いたとはいえませんが、それでも着実な成長です。今後も、Oさんからのたっぷりの愛情を受け、さらにビビリを克服してくれることでしょう。

サンタは、この家で新たに「風太」という新しい名前をもらいました。今日もビビりながらも成長を遂げる風太。いつか誰の前でも「本当の自分」を出せるようにがんばってね!

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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