海沿いの町で育ったきょうだい猫 僕のお迎えはいつ? 赤い糸で結ばれた夫婦のもとへ旅立った

磯の香り漂う四国の海沿いの町。この町で生まれた子猫3きょうだいが行き場を失っていました。3きょうだいは後に地元の愛護団体、アニマルサポート高知家に保護され、2匹はすぐに「ずっとのお家」をつかむことができました。

巣立っていく2匹を見送り、残された格好のアキラ。預かりボランティアさんの家で里親さんとの出会いを待ち続けていました。

アニマルサポート高知家では、里親さんとの出会いを諦めず、保護犬猫の常設譲渡会場を開設した「アシスト南国」ouenスペースに参加し続けていました。そこでアキラは、後に迎え入れられることになる愛媛県のAさん夫妻と出会います。

■目に留まったアキラに不思議な縁を感じた

Aさん夫妻はペットショップなどの生体販売に疑問を持っていました。

「ペットショップにいる全ての子犬・子猫が悪質なブリーダー出身とは限らないものの、その出自を尋ねると『わからない』といった回答も多く、なんだかモヤモヤしていた」と言い、そんな中、アシスト南国を見学も兼ねて訪れることに。その保護猫ブースにいたのがアキラで、不思議な縁を感じたそうです。

このときのAさん夫妻はマンション住まい。すでに先住猫がいました。そのためアニマルサポート高知家のSNSなどでアキラの様子を見守るだけでした。

■再訪の際、偶然アキラも久しぶりに施設に来た

数カ月後。Aさん夫婦はペット用品を購入するため、アシスト南国を訪れました。

あの日、目に留まったアキラの姿はそこにはありません。少し寂しく思うAさん夫婦でしたが、そこへ預かりボランティアさんに連れられアキラがブースにやってきました。

聞けば、アキラがアシスト南国に来るのは久しぶりとのこと。まるでAさん夫婦が同店を訪れるタイミングを見計らっているかのように思えました。さらに、この時期、Aさん夫婦は自宅を建築中。もう少しで完成し鍵を引き渡すだけという時期だったこともあり、Aさん夫婦は迷わずここでトライアルを申し出ました。

■アキラとAさん夫婦は元々赤い糸で結ばれていた?

完成したばかりの綺麗なピカピカのお家にアキラもご満悦。先住猫ともすぐに打ち解け、後に正式譲渡となりました。

当初はなかなかご縁がなかったアキラですが、ここまでの経緯を振り返ってみると、Aさん夫婦と赤い糸が結ばれていて、その出会いの時期が他のきょうだい猫よりも遅かっただけのように思えます。

今では、Aさん夫婦、先住猫とみんな一緒にベッドで寝ることもあるのだそう。こんな毎日にAさん夫婦は幸せを感じながら過ごしているそうです。きっと、その思いはアキラや先住猫も同じでしょう。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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